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「まだそうだと決まった訳ではありませんが…もし本当にAさんの命を奪うことが目的だったとしてもやはり疑問が残ります。貴方のことは世間に公開していない。」
『…そう、ですよね。』
Aが狙撃兵兼狙撃兵をやっていることを知っているのは、ごく僅か。
我々国幹部一同と、その幹部の身の回りだけを担当する一部の使用人達。そして、Aが現在育てている狙撃兵の特別部隊である。
家族が全員他界している彼女を、その存在を確かに知っているのはこれだけだ。
先日の舞踏会でも幹部ではなく総統秘書を名乗っている。
「あくまでこれは仮説ですし、その仮説に思いを込めすぎるのも良くありません。考えは整理できましたし、他の情報などもロボロさんが見つけてくれるはずです。我々は待ちましょう。」
『はい、そうします。相談にのってくださりありがとうございました。』
「いえいえ。是非今度、此処に立ち寄ってみてくださいね。」
手を振るエーミールに一礼をし、Aはその場を去った。
(さて、これからどうしよう。)
今日丸一日休みにしたのはエーミールと話す時間が長く取れるようにする為というのもあったのだが、想定より少し早く終わってしまった。
こういう時は大体他の幹部に話しかけられたりするのだが、今日はみんな忙しいらしく誰の姿も見かけない。
何をするのも思い付かず、Aは自分の部屋へと辿り着いた。
ドアを開けると、いつものように黒い愛銃が壁に掛けられている。
普段は何も思わず素通りするのだが、ふと目に入ってしまった。
(最近手入れしてなかったし、しておこう。)
そう思って愛銃を手に取った。
___床の上に汚れ防止マットを引き、丁寧に銃を分解する。
案の定火薬の燃えカスがついていたので慎重に払った。
そして、摩擦で溶けてしまいくっついた銅を除銅剤で取っていく。
この作業が難しいのだ。銃身の内側に付着しているので丁寧にやらねばならない。
狙撃兵のコンディションは銃によって決まる。
最高の銃を、最高の状態で保つ。
銃の荒さで飛んだ銃弾の角度が微妙に、簡単に変わってしまうのだ。この微妙さが生死を分けることになる。
Aはこの作業を怠ることなく繰り返してきた。そのおかげで今生きられているのかもしれない。
「……今度部隊のみんなに銃の抜き打ち検査でもやるか。」
どんな結果になるだろう。Aは1人でほくそ笑んだ。
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未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
