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『おはよう。暫く訓練に出ていなくてすまなかった。』
挨拶をすると、既に訓練場へと集まっていた狙撃兵達が帽子を脱いできっちりと礼をする。
Aは二週間弱ぶりに訓練に出た。
銃を手に取っていなかった為腕が鈍っていないか心配だったものの、日頃の積み重ねのお陰で大きな影響はなかった。
『さて、君達もこの訓練に参加してからもうすぐで２ヶ月経つ。今まではスコープを無しで撃って貰っていたが、今日からはスコープを付けて撃つ練習に切り替える。各自自分の銃に取り付けてほしい。』
そう言ってAは一人一人にスコープを手渡した。
最新の技術で作られた最高のもの。その中でも更に厳しい選別をして選んだものである。
兵達はそれぞれスコープに目をつけ、的を覗き見た。
２ヶ月前と同じ光景。
だが、その２ヶ月間でAによる厳しい訓練を受けて来た彼らにとって、その光景はあまりにも違うものだった。
「前よりも正確に、的が見える…」
誰かがそう溢すと、周りのものも同じように感嘆の声を漏らした。
『左から並んでいる自分の番号に、年齢を5倍にしてそれらを掛けた長さに1番近い的を撃て。』
そう尋ねるとハッとした表情をして、皆が的に照準を定め始める。
例えば、左から３番目にいる２４歳のボボという男兵。
彼ならば 3×(24×5)=360 で、360メートル地点から近い的を撃つことになる。
急に命じられた初めての訓練内容。彼等は動揺しながらも、引き金を引いた。
『……凄いじゃないか。全員が外さずに撃ち抜くだなんて。』
真ん中とはいかないものの、全員がギリギリではなく確実に狙った的を抜いていた。
自分で頭の中で計算し、目測で距離を測って撃ったのである。
後になってこの事実を理解した兵達は、自分の成長と周りの成長に驚愕した。
『私は半年後までに目測で距離を測れるようにしたいと言ったが…参ったな。もう出来るようになってしまったんだな。流石、我々国の一流狙撃兵だ。』
Aの滅多にない褒めの言葉に、兵達は困惑したものの嬉しさが登った。
あの無愛想なアンドラでさえ、小さくだが口角を上げていた。
『そんな優秀な狙撃兵諸君。今分かった通り、君達は狙撃兵の基本を完璧に身に付けた。これからはより実践的な訓練に入る。前よりも体力的にきつくなる部分も増えるだろう。だから……明日はめいいっぱい休め。』
珍しい臨時の休みに、全員が目を輝かせた。
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未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
