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そんなこんなで月日は流れて行き、時は舞踏会前日。
Aは自分の専属メイドであるクレアと共に、明日に向けての支度をしている最中である。
「A様、こちらのドレスはいかがですか？」
『うーん、ちょっと露出が多すぎるかな。』
「ではこちらは？」
『色味がイマイチ。』
続けて提案を拒否するとクレアは呆れたように溜息をついた。その気持ちはよく分かる。何せ、クローゼットから出したドレスはこれで１６着目になるからだ。
流石のクレアでも疲れてしまうだろう。
「A様、本当はドレスが着たくないんじゃないですか？」
『えっ…それは、まぁ。』
図星を突かれぎこちない返事になってしまった。
何故Aがここまでドレスが着たくないのか。その理由は単純に、恥ずかしいからである。
此処に来た時にドレスを着た時はあまり恥ずかしさを感じなかったが、今は幹部として過ごす時間が割と経ち今更女性らしく着飾るのには抵抗があるのだ。特にチーノやショッピなんかにはAの仕事での厳しい顔を見られてしまっている。
そんなAの心境をクレアも察していた。
「舞踏会へ行くのはいつもとは違った目的の仕事です。A様がメンバーに選ばれたのもその美しい容姿を最大限に活かしてほしいということ故、活かすためには着飾らなければなりません。いいですか、これも”仕事”ですよ。」
Aは仕事や責務などといった責任感のある言葉に弱かった。
『わかりました…。クレア、露出が控えめで動きやすいドレスを選んでくれない？』
「かしこまりました。……こちらは如何でしょう？」
そう言って見せたのは、薄いピンク色のチュールドレス。レースが重なっているのはまるで花のようでボリューミーだが、長さが膝下までなので綺麗にまとまっている。
Aはそのドレスに一目惚れした。
『これにする。素敵なドレスをありがとう。』
「いえいえ、では試着してみて下さい。」
Aが実際に来てみても、そのドレスはとても美しくAに良く似合っていた。
『……あれ、このドレスこんなところにポケットがついてるんだ。着るまで気付かなかった。よく隠されてるね。』
ドレスの胸元あたりにあるレースの下に、タバコ一箱が入るサイズのポケットが縫われていた。
(凄い、今のドレスは多機能だな。)
想像していたより良いドレスが決まった後、Aはそのまま明日へ備えていつもよりはやく寝た。
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未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
