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『あの…そろそろ上がっても良いでしょうか…』
「ん？あぁせやな、どうぞどうぞ。」
そう言ってゾムはAと反対の方を向いた。タオルを巻いているとはいえ、上がる時に恥ずかしいというAを思ってのことだろう。一緒に風呂で話そうなどと言った割には紳士的な一面もあるようだ。
Aが浴槽を出て大浴場から出ようとした時、後ろを向いたままゾムが言った。
「風呂に限ったことやないけど、ここは基本男所帯や。女専用っていうような施設もあんましない。それにそこまで女と関わらなかった奴が多いから、変な扱いになってAが気悪くなってしまうこともあるかもしれん。」
幹部になる時から分かっていたことである。廊下などにある女性用トイレも最近になって新設されたが、それまでは自分の部屋と連絡通路近く、食堂前にしかなく非常に不便であった。
そのことを察していたのだろう。
「だけど、俺らもAが過ごしやすくなれるよう頑張るから。それでも至らない点もあるかと思う、そん時はAからも言ってくれよな。あと何回も言うけど男所帯や。気をつけることは気をつけろよな。」
『はい。ありがとうございます。』
やはりここは暖かいところである。かつての家もとても暖かく良い空間だったが、此処にはまた違った暖かさがある。そうAは感じた。
普段はやく風呂を済ませると言っていたゾムも、Aが脱衣所から出るまで浴場から出てくる気配はなかった。
___水で湿った髪を下ろしてAが廊下を歩いていると、資料を取りに行った帰りのしんぺい神と会った。
「Aちゃんがあっちの風呂使うなんて珍しいなぁ。誰もおらんかった？」
『まぁ…』
ゾムと入ったということを話すと面倒な誤解を招きそうなので敢えて濁して言った。だがそこまで興味がないのか、彼はふーんとありきたりな反応を見せる。
「あ、今はカラコンしてないんか。綺麗な緑色やん。ちゃんとお肉食べとるんやな。偉い偉い。」
子供を褒めるような褒め方に、Aは思わずはふふっと笑いをこぼした。
『仕事中以外はカラコンは付けないようにしているんです。あんまり付けていると目に影響が出そうで。』
「せやな。狙撃兵は目が大事やもんな。これからも頑張れ〜」
応援を受けてお互い手を振り合い、しんぺい神もAも自室へ戻った。
部屋に戻った後は、風呂で疲れが取れたのかベッドに入るとすぐに眠ることができた。
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未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
