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『さて、では二つ目のテストをさせてもらう。内容は先程と同じく銃で遠くの的を撃つだけだ。だが、一つ新たな条件を加える。』
『…スコープは無しだ。』
その場の全員にどよめきが走った。スコープ無しで遠くの的を撃ち抜く、なんてことはやったことがない。無理だろう。何百メートルも先にあるものをどうやって。
だがそんなどよめきもAの声によって遮られた。
『説明はこれ以上しない。一つ目のテストと同じ順番でやってもらう。銃は君達の使う銃にスコープがあるかないかだけだ。銃の機能に差はない。では最初の者。』
最初の男は不安からか、50メートルから150メートル程先の的を撃っていた。当たってはいるが真ん中からは程遠い。
試しにAが500メートル先の的を撃つように指示すると、撃った銃弾は明後日の方向へと飛んでいった。
次の者も、また次の者も同じような結果に。
だが偶に遠くの的もかろうじて撃ち抜く者もいた。その度に、Aはメモを走らせる。
アンドラは予想通り遠くの的も中心からズレているもののしっかりと撃ち抜いた。
意外と、このズタボロの成績の中でかなり目立ったのが１６歳の少女、アリア。
彼女はなんとアンドラよりもはやく的に照準を合わせ、遠くの的に中心ではないものの良いところを撃ち抜いた。
これには彼女自身も驚いたのか、撃った後に大きく口を開けて固まっていた。
___そして、全員のテストが終わる。
『…君達の中で、野球をしたことがある者は手を挙げろ。』
３人が手を挙げた。そのうちの1人はアリア。
いずれもテストの中で平均以上の好成績を残した者だった。
『３人は野球をしていたことがあるため人並み以上に撃てている。何故か？野球はボールとの距離感が大事な為、すればする程物との距離を掴みやすくなる。３人にはこの力が既に備わっている。完璧ではないがな。』
ここまで言ったら分かったか。一部の隊員はハッと顔をあげて此方を見ていた。３人もおおよそ理解した様子。
『そう、狙撃には的との距離をいかに掴めるかが大事になってくる。目測で距離を測れることになるのが理想だ。少なくとも半年後には、隊員全員がこの力を身につけている状態にしたい。』
実際はもっとはやく力をつけさせたい所だが、優秀な人材が飛んでしまったら困る。妥協して半年後にした。
『取り敢えず今日はこれでおしまいだ。各自残りの時間を有意義に使うように。』
こうしてAの初仕事は幕を閉じた。
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未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
