52 ページ11
オスマンと手を組み曲に合わせてステップを踏む。
紅茶を飲んだからか身体がポカポカして、自然と力が抜ける。先程までの硬い動きとは違い、軽々と踊ることができた。
軽々と踊れるようになると耳に音楽が良く聞こえるようになってくる。
変ロ長調のゆったりとした曲調。Aはいつの間にか曲にのめり込み、その優雅な雰囲気で表情をコロコロと変えた。
必死で踊ろうとするのではなく、心から楽しんで踊れるようになったのだ。
Aが夢中で踊っているうちに曲は終わった。
オスマンはAの急な成長に驚いた。彼も踊っているうちにAの表情やステップに魅了され、いくつかアレンジしたステップを加えた。
無意識に変えてしまったものだった為Aが失敗してしまわないか焦る場面もあったが、彼女は失敗することなく踊り切ることができた。
「うん、もう充分踊れるようになったな！後は本番で出来るかどうかめう〜」
『そうですね。当日もしっかりとやり遂げられるよう……いや、リラックスして楽しめるように頑張りますね。』
Aがそう言うと、オスマンはにっこりと笑った。
そして今日は想定よりかなり早くレッスンが終わったので、Aは半日ほどの暇な時間ができた。
さて、自主練でもするか…と考えていると、前からシャオロンが歩いてきた。
「Aやん！どうしたん？今日はダンスするんやなかったっけ？」
『はい。ですが早く終わったので時間ができたところです。』
「そっかー。なら、久しぶりに俺と訓練でもせえへん？近接の。偶にはええやろ。」
どう？と首を傾けられる。確かに、ずっと狙撃とレッスンばかりしていたら疲れてしまう。いつか教わろうとも思っていたし、リフレッシュも兼ねてしてもいいだろう。
『偶にはいいかもしれませんね。では、ご一緒させてもらいます。』
___そうしてやってきた訓練場。なかでも幹部のみ使える専用の場所にAとシャオロンは来た。
此処もインカムよって開かれる通路があり、そこを通ってスムーズに来ることができた。
というか、ここの通路とダクトしか出入り口がないのでインカムをなくしたら総合訓練場で訓練するしかないのだろうか。
中を見渡していると、シャオロンから何かを投げ渡された。
「はい、これゴムナイフ。この前使ってたやつと同じやで。今度ちゃんとした武器選ぼうな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未雨(プロフ) - あめさん» コメントありがとうございます。番外編更新しました！是非読んでください！ (2023年4月25日 21時) (
レス) @page39 id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - 凄く面白くてどんどん読んじゃいました！！！もし良ければhtさんとの絡みとかみたいです！！！ (2023年4月24日 19時) (レス) id: b7c8f34430 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。軍パロの中で上位…本当ですか？！他にも素晴らしい作品が沢山あるのにそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！ (2023年4月19日 22時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え、軍パロの中で上位になるくらいらぶ (2023年4月19日 0時) (レス) @page34 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます。その言葉が励みです…これからもよろしくお願いします！ (2023年4月7日 17時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未雨 | 作成日時：2023年3月11日 9時
