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「はーいストップストップ!Aちゃんこんなに震えとるやん。こんな状況とはいえ病人なんやからもう虐めるのはあかんでーゾム。」
一連の流れを傍観していたしんぺい神がピリピリとしたムードを打ち破ってくださった。
最初から止めてくれたら良かったのにとも思ったが、呆れたような顔をしているので何か事情があったのだろう。
ゾムも持っていたナイフをしまい、私に柔らかな表情で向き直った。
「すまんなA!怖がらせるつもりはなかってん。でもちょっとオイタが過ぎたようやな。んじゃ、先行ってるからまた後でな。」
そう言うと来た時と同じく天井から帰っていった。普通にドアから出るという選択肢はないのだろうか。
「ごめんなぁAちゃん。本当は俺から話を聞く予定だったんやけど、先にゾムが来て話聞かれてもうた。でもいつもあんな怖い奴じゃないから嫌いにならんとってあげてな。」
『いえ、気にしておりません。悪いのは私なので。ところでつかぬことをお聞きしますが、しんぺい神さんとゾム様は親しい間柄なんでしょうか?』
ずっと気になっていたことだった。
しんぺい神がゾムに砕けた口調で話しているのにも関わらずそれが当たり前かというようにゾムは気にせず接している。
軍医と幹部がそこまで距離が近いとは思えなかった。
「やっぱ気になるよな。実は俺、軍医は軍医でもほぼ幹部みたいなもんやねん。この国を創った時の初期メンバーでもあるしそこら辺の兵士よりは強いと思うで〜。あと最初は軍医じゃ無かったしな。だから幹部と対等に話せてるんやで。」
『え、あ、そうだったんですね。そんなことも知らずにしんぺい神様をしんぺいさんと呼んでしまって私___』
驚きを隠さず動揺している私をしんぺい神は笑いながら大丈夫だよと言ってくださった。
むしろ固いのは嫌だからぺ神でもいいよとも言われたが、恐れ多いので丁重にお断りさせて頂いた。
『すみません、総統室の場所を知らないので案内して貰っても良いでしょうか。』
「もちろんええよ。ただ、Aちゃんもしかしてその格好で行くつもりなん?」
そう指摘され自分がまだパジャマでいることを思い出した。だが、それ以外の服は生憎手持ちにない。
さてどうしたものか。顎に手を当てて考えていると、前方の扉で軽快な音でノック音がなり、数名のメイドだと思われる女性が入ってきた。
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未雨(プロフ) - エモンガさん» コメントありがとうございます。頑張って更新ペース上げてくのでこれからもよろしくお願いします! (2023年2月26日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します!応援してます!投稿も頑張ってください! (2023年2月25日 17時) (レス) @page30 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 天天さん» コメントありがとうございます。是非是非夢主ちゃん描いてあげて下さい!これからもよろしくお願いします! (2023年2月15日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 未雨さんの書き方大好きです〜!夢主ちゃんの瞳の色も気になるところ!!良ければ描かせてもらってもよろしいでしょうか…? (2023年2月15日 18時) (レス) @page21 id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未雨 | 作成日時:2023年1月24日 23時