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『成程…つまり、私の体力は肉を摂取することで回復されて体力量は瞳の色によって分かるということですね。』
幼い頃のAの瞳の色は濃い紫色だったが、10歳以降の瞳の色はどうだったか分からない。紫色の瞳はかなり少なく高価な証とされている。
その為、紫の瞳を持つ人々を狙う連中が多くいたこともありその頃からよく茶色のカラーコンタクトをよく付けさせられていた。
『悪魔のあの日』以降は寝るとき以外ずっとカラコンを装着していた為自分の瞳を意識していなかった。
だが、生まれつき肉で体力を補うという性質でなかったことは確かである。
「このことは幹部全体に共有してサポートに回っていくっていう方針で固まった。敵に漏れるとかなり厄介な情報になるから原則として幹部のみになる。やから幹部がまわりにいない時はAちゃんが上手くやってな。」
最後に彼からウインナーを渡された。緊急時に食べる為のものらしい。勿論、ウインナーをずっと携帯するわけにはいかないのでこれからは毎朝朝食の時に補給用の肉を渡されるそうだ。
急に太ってしまいそうで怖い。
___ひと通りの説明と体調を診られた後、しんぺい神に「動いてよし!」と言われた私は総統室へ向かった。
2度目となる重厚な扉を開いた先にはトントンと鬱、そして総統様がいた。
「Aじゃないか。体調は良くなったようだな。今日はどうしたんだ?」
『おはようございます。総統閣下。本日は外出許可を頂きたく此処へ参りました。本格的に業務が始まる前に私物などを買っておきたいので。』
「嗚呼、勿論いいゾ!せっかくなら俺も行くとするか!」
「あんたはまだ仕事終わってないから行かせん。」
緊張していたが思ったよりもあっさりと許可を貰うことが出来た。総統様は不満そうだが…
ふと見やると、隣にいるトントンの顔がすっきりしているように見える。しっかりと眠れたのだろうか。隈が薄くなり猫背気味な姿勢がピンとなっていた。
すると、横から気の抜けたような声が聞こえた。
「え、Aちゃん買い物行くん?ええなぁ。俺も着いていっていい?」
『構いませんが…鬱様はその日非番でしたっけ?』
「おん。先週の振替でたまたま非番。やから行こ!ええよなトン氏?」
トントンはあからさまに嫌そうな顔をしながらも彼に外出許可を出した。
約束の時間は13:00に。なんでも彼は先に用事があるようで、だらしないネクタイを引き締めて何処かに行ってしまった。
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未雨(プロフ) - エモンガさん» コメントありがとうございます。頑張って更新ペース上げてくのでこれからもよろしくお願いします! (2023年2月26日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します!応援してます!投稿も頑張ってください! (2023年2月25日 17時) (レス) @page30 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 天天さん» コメントありがとうございます。是非是非夢主ちゃん描いてあげて下さい!これからもよろしくお願いします! (2023年2月15日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 未雨さんの書き方大好きです〜!夢主ちゃんの瞳の色も気になるところ!!良ければ描かせてもらってもよろしいでしょうか…? (2023年2月15日 18時) (レス) @page21 id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未雨 | 作成日時:2023年1月24日 23時