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「え…キッチン貸してって、俺に作る為にってことやったん？Aが飲む為じゃなく？」
『はい。もし苦手であればお下げします。』
「あ、苦手じゃない苦手じゃない。わざわざすまんな。ありがとう。」
トントンはふにゃりとした顔でココアを受け取ってくださった。
が、一口飲みカップを置くとまた真剣な眼差しで書類と向き合い始めた。流石書記長だ。切り替えが速い。
その様子を確認してAも仕事に取り掛かった。
____作業を始めて約1時間後。
ガクッガクッと効果音が付きそうな勢いで書記長が頭を揺らしていた。
手に握られた万年筆は細いひょろひょろとした頼りない線を紙に書いている。
彼には非常に強い眠気が襲いかかっていた。
(上手くいって良かった。)
Aがホットココアを出した理由はこれだ。
コーヒーにはカフェインが多く含まれている為眠気が飛ばされてしまい彼が意地でも仕事を続ける原因になる。
寝なかったら段々とコンディションも落ちてしまい非常に良くない。
一方、Aの作ったココアは牛乳で割られているもの。
牛乳には「トリプトファン」という睡眠を促す成分が多く含まれている。そして、ココアに含まれる「テオブロミン」という成分が自律神経を整え、心身をリラックスした状態にしてくれる。
睡眠促進のダブルパンチをくらった彼はこのまま静かにしていれば確実に深い眠りに落ちるだろう。
睡魔と戦う姿を数分眺めているうちに、彼は深い眠りについた。
かなり近づいても起きる気配はない。
(国のトップの書記長でも、こんな顔するんだ…)
彼の顔はは非常に優しく、どこか幼かった。
25歳という若さで国を背負う立場となったのだ。普通だったら遊び盛りの年齢であるが国のトップとなったらそうはいかない。
感じる責任感の重さも計り知れないものだっただろう。
だから、今くらい何も考えずに眠って欲しい。
ソファまで運ぼうと思ったが、かなり大きな身体でもあるし動かすと起きてしまう可能性があるので近くにあったブランケットを掛けた。
『さて、私も仕事に戻らなきゃ。』
一向に眠気はやってこないまま。このままこの書類を終わらせてしまおう。そして、余った時間でトントンの書類整理をして少しでも彼が楽になるようにしよう。
簡単に身体をほぐした後、万年筆を握った。
冴えた頭でこなす書類は驚くほどはやく進んでいくのだった。
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未雨(プロフ) - エモンガさん» コメントありがとうございます。頑張って更新ペース上げてくのでこれからもよろしくお願いします！ (2023年2月26日 23時) (
レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年2月25日 17時) (レス) @page30 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 天天さん» コメントありがとうございます。是非是非夢主ちゃん描いてあげて下さい！これからもよろしくお願いします！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 未雨さんの書き方大好きです〜！夢主ちゃんの瞳の色も気になるところ！！良ければ描かせてもらってもよろしいでしょうか…？ (2023年2月15日 18時) (レス) @page21 id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年1月24日 23時
