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血濡れた死体を蹴飛ばしながら、
「しっかしあのジジイ最後は危なかったよな。頭下げた時に国に通報しようとするなんて。よく気づいたな、ミノ。」
ミノと呼ばれた男は細長い銃を肩に担ぎ、少し笑うように答えた。
首元に大きめな痣がある整った顔立ちだった。
「あぁ、バレバレだったよ本当に。ズーラの狙撃兵にバレないと思うなよって感じだぜ。」
ズーラ。我々国とプネラ国の隣国である北の国。まさに今私達が旅行に行こうとしていた国。
ズーラと我々国は同盟を結んでいる為、此方に責めてくることはないはずである。
一体何故ズーラが____
すると、兵士の1人が母親の亡骸に触れ、服を強引に破り始めた。
赤く染まった服が放り投げられていく。
「おいおい、またやる気かよ。上官に見つかったら死ぬかもしれないんだぞ？」
「大丈夫さ。俺は上官がこの前に村娘を殺す前そいつに手を出してるとこを見たんだ。少しくらいやっても怒られねぇだろ。」
そう言いながらどんどん母の身体に手を掛けていく。
『やめて！！！』
気づいた時にはそう言って飛び出していた。
予期せぬ人間の登場に驚いたのか、兵士は母の亡骸を落として慌てた素振りで銃を構えた。
「おいお前、何者だ！！」
そう言いながら男は此方へ迫り、あっという間に銃を突きつけられた。
『私はここの村の娘です。急に飛び出して申し訳ありません。お願いですから殺さないで下さい。そして、母親の遺体に触らないで下さい。』
「母親？…お前、オルティスの娘か。とんでもない奴を逃すところだったぜ。殺さない訳ねぇだろ。」
耳元で引き金に手を掛ける音が聞こえた。
「いや、まだ殺さなくてもいいんじゃないか。こいつ中々綺麗な顔してやがるし、死体とやるより生きてる人間の方がいい。」
それもそうだなと言われ、銃を突きつけられながら歩かされた。抵抗はしなかった。いや、出来なかった。
親しい人達が目の前で殺され、生き残った自分自身も死に直面した。抵抗する気力なんて残っていなかった。
花屋のおばさんの家から香っていた花の香りは、沢山の人の死体から臭う鉄の臭いに変わっていて鼻の奥がツンとする。
いつも当たり前のように見ていた景色が赤黒く染まって暗い雰囲気を醸し出している。
私も、このように変わり果てた姿になってしまうのだろうか。
そんなことを考えていた時、前後で私のことを歩かせていた兵士が転がった。
響いた銃声と共に。
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未雨(プロフ) - エモンガさん» コメントありがとうございます。頑張って更新ペース上げてくのでこれからもよろしくお願いします！ (2023年2月26日 23時) (
レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年2月25日 17時) (レス) @page30 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 天天さん» コメントありがとうございます。是非是非夢主ちゃん描いてあげて下さい！これからもよろしくお願いします！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 未雨さんの書き方大好きです〜！夢主ちゃんの瞳の色も気になるところ！！良ければ描かせてもらってもよろしいでしょうか…？ (2023年2月15日 18時) (レス) @page21 id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年1月24日 23時
