98.あ…… ページ48
パイプベッドの上に私が座り、その奥で太輔が寝転んでいた。
寝息が聞こえる。
太輔、もう寝ちゃったのか。
幽霊は人間でない以上、眠って疲労回復をする必要はないけど、眠りにつくことぐらいはある。
「ねぇ、太輔、起きてる?」
やっぱり寝ている。
「ねぇ太輔、起きてよ…ちょっと話そうよ…。」
[何やってるの?]
太輔じゃない声が、後ろから聞こえる。
「誰!?」
振り返ると、あの死んだ時に出会った以来のyutaがたっていた。
正しくは、浮いていた。
「なんだ、あんたか。」
[何その言い方よ。せっかく俺が途中経過見に、わざわざ来てあげたのに。あんたって呼び方なくない?]
「そういうお節介はいらないんです〜」
死んでから、もう2週間は経つ。
yutaの存在すら忘れかけていた。
「ねぇ、どういうことなの?」
[千依ちゃんのことを襲った霊のことが聞きたいって訳?]
「やっぱり霊の仕業だったのね?」
今、はっきりと襲ったって言ったよね?
これで確定した。
あの悪霊は、千依をターゲットにしていたんだ…。
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作者名:M 1 R A 7. | 作成日時:2020年5月23日 17時