90.放課後。 ページ40
ホームルームが終わり、みんなそれぞれの放課後を過ごすため、そそくさと教室を出ていく。
太輔もさっさと教室を出ていった。
その頬には、大きな絆創膏
「太輔らしくないよ、あんなに熱くなるなんて。」
「だって、あれじゃまるでお前の仕業みたいじゃん。俺はAがそう思われるのが嫌だったから言っただけ。」
え、ちょっとキュンとすんじゃん。
まぁ、太輔はそんなことを考えずに言ったんだろうけど。
「てか、お前こそよく平気で居られるね。」
相変わらず、ぶっきらぼうだけど、どこかに私への優しさが込められていた気がして、口元がふっと緩んだ。
生きている時は、太輔のことずっと暗いやつだと思ってた。
クールよりも、冷たい、無愛想よりも、冷酷。
顔は学年一かっこいい説もあるが、性格は最悪。
それが私の太輔に対する評価だった。
でも、こんなことになってから、昼も夜も一緒にいるようになって。そんな太輔への気持ちがすこーしずつ変わりつつある。
話してみると、意外と嫌な奴ではないなって。
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作者名:M 1 R A 7. | 作成日時:2020年5月23日 17時