星の私とあなたの49日2 (ページ26)

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76.あの出来事。② ページ26

二学期に入ってからずっと、美幸は私たちに無視され続けていた。

きっかけは、夏休みの終わり、6人で最後の思い出にと、遊園地に行った時だった。

みんなでタピオカ屋さんに行こうとなり、じゃんけんで負けた美幸が、6人分をまとめて買いにいった。

そのかわり、美幸の分は、残りの5人で割り勘になった。

ところが、6人分のタピオカをトレイに抱えて歩くのは予想以上に難しくて、あと少しという所で、バランスを崩し、こぼしてしまった。

美幸は何度も謝っていたし、私達もそんなに気にしていなかったのだけれど、結局、みんなが2本分のお金をそれぞれ払うことになった。

帰り道、美幸は電車が違うため、1番最初に別れた。

美幸の後ろ姿を見送って、咲良子が言った。

『美幸ってさ、ちょっとトロくない？ああいうのさ、イライラするんだよね。みんなもそう思うでしょ？』

あまりの冷たいトーンに、全員が凍りついた。

確かに、美幸ちょっとおっとりと言うか、鈍いというか、ちょっとスローなとこがあるけど、でも、美幸は小さくて6人の中で1番女の子らしくて、可愛いなぁと、少なくとも私は思っていた。

とはいえ、咲良子の恐ろしく冷たい瞳は、

誰もが『うん。』と頷かずには居られない

何かを秘めていた。