73.バカなあたし。 ページ23
「馬鹿だよね…あたし。親友失格だよね………自分が可愛くて、Aを犠牲にしたの……最低だよ……」
「……」
「助けてあげれば良かった………咲良子に仕返しされたって、Aを守ればよかった…あたしが弱いから、A、いなくなっちゃった……Aのこと、大好きだったのに……ちょっとひねくれてたけど、いい子だったのに………」
「………」
「Aと一緒に、成人式迎えたかった……大人になっても、おばあちゃんになっても……ずっっと仲良くしていたかった………なのに、こんな最悪な形で別れるなんて………」
弥子の両手が濡れた頬を覆う。
弥子の涙につられて、私の瞳からもなん筋もの涙が溢れ出た。
私、自分ばっかりが辛いと思ってたけど、弥子も辛かったんだ……本当は、いじめなんてしたくなかったんだ。
1人で、めちゃくちゃ悩んだんだ……
私は、裏切った弥子をずっと憎んでいた。
酷いことされたって思ってた。
仮にこの立場が逆だった時、私は弥子を守れただろうか……?
咲良子に逆らう勇気なんて、なかったかもしれない。
弥子、私、怒ってないよ。
弥子のこと、もう憎んでないから。
すすり泣く巫女の背中をそっと両手で抱きしめた。
虚しくすり抜けてしまう両手に温もりを込めるような気持ちで。
15人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:M 1 R A 7. | 作成日時:2020年5月23日 17時