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69.庇った理由。 ページ19
午前中、弥子は誰とも喋らなかった。
咲良子が、弥子を無視していることは、明らかだった。
昼休みの屋上。
太輔はいつも通り、1人でお昼ご飯を食べていた。
細い体の割に、大きなお弁当箱。
こういう所はやっぱ、男の子だな。
「……ねえ。なんで弥子のこと庇ったの?」
そう聞くと、太輔は口の中の卵焼きを飲み込んでから答えた。
「悪かったか?俺が庇って。」
「いや…悪くはないけど…」
「分かるだろ?これ以上Aみたいに死人が出たら、いたたまれないだろ?」
「…ふぅーん」
じゃあなんで太輔は私の事助けなかったのよってなるけど…(笑)
でも、いたたまれない…ねぇ。
私の知っている太輔は、そんなこと言うやつじゃなかったんだけど。
だから、あんなふうに弥子を庇ったのは、すごく意外だった。
太輔は、死んだ私に会ってから、変わりつつあるのかも…しれない。
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作者名:M 1 R A 7. | 作成日時:2020年5月23日 17時