星の私とあなたの49日 (ページ43)

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43.優しさ。ページ43

藤ヶ谷くんが私の頭の上に手を置いてきた。

たとえフリだとしても、藤ヶ谷くんがそんなことをするとは思わなくて、ちょっとびっくりした。

すると、

「もう、1人で勝手にどっか行くなよ。」

「藤ヶ谷くん……」

「Aみたいな成仏前の弱い霊は、悪霊にとっては格好の餌食だから。」

「うん……。」

藤ヶ谷くんの意外な優しさが温かすぎて、涙が滲む。

泣いたりするのは恥ずかしいから、手の甲でそっと涙を拭った。

ずるいよ…。藤ヶ谷くん。普段はいつも冷たいのに、こんな時だけそんなイケメン顔を使って、そんな優しくするなんて……その優しさ、反則だよ……。

しばらく沈黙が続く。

でも、さっきのような居心地の悪い感じはなくなっていた。

むしろ、藤ヶ谷くんといると何故か妙に落ち着くことに気がついた。

………………？なんだこの気持ち……

……………まぁ、いっか。