星の私とあなたの49日 (ページ41)

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41.悪霊ページ41

学校を出て、どれくらい走ったのだろう。

いつの間にか、私の体は霊体に戻っていた。

藤ヶ谷くんが足を止めて、苦しそうに呼吸している。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ………」

「大丈夫？」

私は藤ヶ谷くんの背中をさする。

もちろんフリだけ。

「どうして、来てくれたの？」

「前にも言っただろ。強い霊は見なくてもこっちの視界に入ってくるって。すごく嫌な波動を感じて窓を開けてみたら、学校が赤く光ってたからな。」

「へぇ」

この人、何気にすごいのかも…

「てかさ、お前相当危なかったぞ？あれは悪霊だしかも結構危険な部類の。」

「なんでそんなのがこの学校にいるの…!?」

「学校自体が結構古いからな…。在学中に死んだ生徒や先生の霊とか、成仏してないのが地縛霊として棲みついて、悪霊になってさまよっているんだ。長い期間で力を蓄えてな。」

ふぅん、悪霊…ねぇ。

それにしても気になるのは……

「ねぇ、藤ヶ谷くん。私さ、悪霊？に追いかけられてる時、生身の体に戻った気がするの。壁をすり抜けられなくなっちゃってさ。」

「そうなのか？」

「うん。でも、すり抜けられてたら、藤ヶ谷くん来る前にさっさと脱出してたよ。」

「そりゃそうだな。」

「……多分、悪霊の力が一時的にお前を実態に戻したんだろう。」

なんか知らないけど、悪霊って、すごいんだ。