星の私とあなたの49日 (ページ40)

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40.ゴルフクラブ男藤ヶ谷ページ40

ガシャアァァァァン!!!

窓ガラスが雨のように、膝の上にパラパラと散った。

粉となり、四方に飛ぶガラスの破片。

誰かが、ガラスを叩き割って、中に飛び込んできた。

その「誰か」は、月明かりの中で、体制を立て直す。

「藤ヶ谷くん……？」

ゴルフクラブを片手に持った藤ヶ谷くんの頬から、赤いものが流れる。ガラスが飛んできたみたい。

藤ヶ谷くんがジーンズのポケットから、紙を取り出す。

え……？お札………？

藤ヶ谷くんはお札を額にかざし、なにかブツブツ言っている。

「☆°〒＞々○×＞…～^&……悪霊、退散!!!」

指からお札が放たれ、霧に向かって飛んで行った。

お札が華奢な手に貼り着く。

『うううぅぅぅぅぐぅぅぅぅぅっ……!!!』

途端に手が、痙攣し、苦しむ声が聞こえ、少しずつ霧は収縮し始めた。

あまりの展開に唖然としている私に藤ヶ谷くんが強い口調で言う。

「A、逃げるぞ!!!」

「う、うん………!!」

立とうとすると、足が少し震えていてもつれたが、窓ガラスが砕けたところから外に出て、必死で走った。