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39.恐怖 ページ39
その場にへたへたとと座り込む。床に手をつくと、ぬめっとした嫌な感触。手のひらを見ると、生暖かい感触で今流れ出したばっかりのような赤いものがベッタリとついていた。
もう、逃げられない……。
廊下の奥から、あの黒い霧みたいなのが迫ってきた。
千手観音のように、手が、無数に伸びてくる。
また、あの声が聞こえる。
『お願い……ﾆｹﾞﾅｲﾃﾞ………ヒトリニシないでぇぇぇっっ___』
細い手の先が、私の首の付け根に触れてくる。
ダメだ…………
もう、終わりだ…………。
私がこれからどうなるかは分からない。
1度死んで、ここでもう一度、殺されるのか……。
黒い霧に引き込まれて、私もあの1部になるのかな、
もう、終わったと思った。
静かに目を閉じる。
つーー、と涙が頬を伝っていく。
細い華奢な手が、私の首に絡みつく………
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作者名：M 1 R A 7. | 作成日時：2020年5月8日 0時
