星の私とあなたの49日 (ページ38)

今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:13,058 hit

38.おばけ。ページ38

か細い、振り絞るような声が聞こえた。

『一緒に………い、よう……仲良く…しよう………。』

「いやぁぁぁぁっ!!」

悲鳴が出ると同時に、身体が動いた。

すり抜けて逃げ出そうとするのに、ガツンと勢いよくぶつけて、床に尻もちを着いた。

怖くて、痛みなんて感じなかった。

なんで!?何が怒ってるの!?

とにかく、ここから逃げなくちゃ……。

全速力で駆け抜けて、階段をおりた。

今のは…なんだったんだろう……。

黒い霧に、白い手。そして、あの声……。

やっと昇降口に着いた。

しかし、脱出しようにも、昇降口は既に閉じられて、鍵が何故かビクともしない。

「開けてよ！お願い、誰か開けて!!助けて!!」

…あれ？私、窓ガラス叩けてる？

ものに、触れられてる？

なんでこんな時に、生身の体に戻っちゃってるのよ……!!

「お願い、助けて！誰か助けてー!!」

その時、涙ながらに叫ぶ私の背筋に寒気が走った。

後ろに………何かがいる。

私は、ゆっくりとゆっくりと振り返った。

振り返って、

私は息を飲んだ。

下駄箱が、天井が。床が。

全てが。

赤で塗りつぶされていた＿＿＿＿＿。