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33.昼休み ページ33
昼休みになった。
みんなが教室で今日のお弁当を見せ合いっこしたり、コンビニで買ったものや思い思いのお弁当を友達同士で食べている中、藤ヶ谷くんは1人、屋上に来ていた。
もちろん、私も一緒に。
右手におにぎり、左手に文庫本を抱えた藤ヶ谷くんがふと顔をあげた。
「何？」
「ジロジロ見てんじゃねーよ。落ち着いて食えないんだけど。」
「ごめん…」
それだけ言って、またおにぎりを頬張る。
ほんとにマイペースだな。
「藤ヶ谷くんは、すごいね。」
「何が？」
「1人でも、寂しくないなんて。私は絶対に耐えられない。お弁当食べるのも、トイレに行くのも、誰かと一緒じゃないとダメだった。いじめはじまってから、辛くて仕方がなかった。」
「お前みたいなひねくれたやつでもそういうこと言うんだな。」
「え？」
「女子って、なんで群れたがるんだろうな。」
すると、藤ヶ谷くんは考え始めた。
「……多分、精神的に弱いんだろうな。本当は嫌いでも、無理に、人に合わせようとする。」
「1人が嫌だから。友達がいないやつって思われるのが嫌だから。そういうことじゃねーのか？」
「なるほど。つまり、藤ヶ谷くんは強いんだ。」
「そうかも……しれないな。あ、言っておくけど、霊が見えることとは関係ないから。」
「だろうね。」
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作者名：M 1 R A 7. | 作成日時：2020年5月8日 0時
