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26.呼んだ理由。 ページ26
「ふぅん。………ねぇ、なんで夕べ、私の名前を呼んだの？」
「呼んだって言うか、驚いて口が勝手に開いたって感じかな。やたらと若い波動があって、まさかって思ったらお前がいたから。」
「驚くことあるんだ。」
「こっちは生身の人間だ。驚くことくらいある。死に損ないのお前と一緒にしないでくれ。」
藤ヶ谷くんは、味のしなくなったガムを包み紙に吐き、包んでゴミ箱に放り込んだ。
それだけのことも面倒くさそう。
誰ともつるまなくて、1人教室で超然としている藤ヶ谷くんを大人っぽくてかっこいいなんか思ってたけど、違う。
大人っぽいんじゃなくて、浮世離れしているんだ。
全く、ムカつく奴。言葉や態度や、果てはその超絶整った綺麗な肌にさえ、腹がたってくる。
でもなんでだろ。
こんな無愛想男といても、不思議と心が和む。
同い年の子とこんな長く喋ったのいつぶりだろ。
まぁ、ずっといじめられてたからな、私。
「ねぇ、」
「…なんだよ。」
「49日の間、……あんたのそばにいちゃダメ？」
抑揚のない声で、思ってもいないことを言った。
「俺に惚れたって言うんならお断りだぞ。幽霊と恋愛するつもりないから。」
私だってするつもりないんですけど!?!?!?
「バカ言わないで。私こそ、あんたみたいな無愛想根暗男、大っ嫌いに決まってるでしょ！」
…はっ、いけないこと言っちゃったかも…。
言いすぎたな、今のは。
「ごめん。でも、」
よし、とりま謝った。ここは素直にならなきゃ……
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作者名：M 1 R A 7. | 作成日時：2020年5月8日 0時
