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24.部屋。 ページ24
それから１、２分後、家に到着した。
「藤ヶ谷」って金属の表札が掲げられた、二階建ての普通の一軒家。
白い壁にオレンジの屋根。予想通りシンプルだった。
ドアを押して中に入る藤ヶ谷くんの後をおずおずと着いていく私。
「お邪魔します……。」
藤ヶ谷くんは靴を脱ぐと2階へ直行した。
家族とは話したりしないんだ、反抗期なんだろうな…。
部屋は6畳ぐらい。ベッドと机と、バカでかい本棚、クローゼット、こぎれいかつ、余分なものが一切ない、簡素な部屋だった。
ポスターやプラモデル、カレンダーさえもない。部屋で唯一目を引くものは、年代物の、バカでかい本棚だった。
ラインナップは、有名だけど、何書いたかって聞かれたら、絶対に答えられない作者ばっかり。
「人の本棚をジロジロと見るなよ。」
「ごめん、藤ヶ谷くんって読書好きなんだね」
「まぁな。」
「『ワ〇ピース』とか読まないの？」
「読まない。」
「クラスに話が合う人いないでしょ？」
「別に話す気もない。」
「そっか、生きてる人間に興味無いんだもんね。」
その質問には答えず、ガムをかみ始めた。
人が話してる最中にガム噛むなんて…
あの男は………！
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作者名：M 1 R A 7. | 作成日時：2020年5月8日 0時
