星の私とあなたの49日 (ページ23)

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23.ついてこい。ページ23

…ｶﾂ､ｶﾂ､ｶﾂ､ｶﾂ､……。

アスファルトに反響する藤ヶ谷くんの足音に私の足音は重ならない。

だって、幽霊だもん。

私はちょっと声を大にして話しかけた。

「ねぇ藤ヶ谷くん、何とか言いなさいよ。なんで私のことが見えるの？私幽霊だから普通は見えないはずなんだけど。」

「……。」

藤ヶ谷くんは答えない。

あの後、『ついてこいよ』といった藤ヶ谷くんの後をわけが分からないまま黙ってついてきたが、それから約10分弱。無言空間だった。

いい加減イラついて、私は宙にうかび、回り込んで顔を覗き込んだ。

藤ヶ谷くんは、どこかだるそうな顔のまま、唇は糸で縫われたように引き結ばれていた。

「ねえ。口あります？日本語分かる？とりあえず、なんか喋ってよ？ねぇ？」

「黙ってくんない？死人のくせに。」

やっと聞いた言葉が死人のくせにて。

すると、

「わかったから、黙ってついてこいよ。俺の家で話すから。」

だったら最初からそう言いなさいよ。

と言おうとしたけど、やっぱり言わなかった。

さらに不機嫌そうに歩き出したから...。