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21.霊柩車 ページ21
葬儀場の前の路地には、黒い霊柩車がとまり、棺が運び出されていくとこだった。
時折、すすり泣く声が聞こえたり、ハンカチを目元に当てているひともいたけど、私は何も感じない。
ここに集まっている人たちは、あたしの死を悲しんでいてくれている訳では無い。
娘を亡くした両親に対する安っぽい表情と、単なる偽善だ。
どうせ、この後宴会とかでワイワイしながら赤い顔で家に帰るくせに。
もう、誰も信じない。来世でも。
多くの人に見守られながら、霊柩車は出発した。
すると、集まった人達がぞろぞろと移動し始めた。
火葬場まで行く人、そのまま帰る人。
んー、私はどうしようかな。焼かれて骨になった自分を見届ける？うーん………
いや、やっぱりここにいるのはやめよう。
踵を返して、その場を立ち去ろうとしたその時だった。
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作者名：M 1 R A 7. | 作成日時：2020年5月8日 0時
