14.グルメンバー。 ページ14
「にしても、大丈夫かな、ヤバくない？うちら」
瑠夏が言った。瑠夏はバレー部の次期キャプテン。
最初はいい子だと思ってた。あんたも、私のことは棚に上げて自分の心配するんだ。
「大丈夫でしょ。遺書も見つかってないらしいし。」
千依がため息混じりに言う。
千依はごく平均的な女の子。吹奏楽部でサックスを吹いている。友達も多い。
こういう、ごく普通の「いい子」でも、いじめに加担するんだね。
「でもさ、平気かな、もし、誰かが先生に言ったら……」
オドオドしながら美幸が言った。
美幸、いっつも自分のことばっかり。人の痛みなんて、感じないもんね。あんたに裏切られたこと、永久に忘れないんだから……。
「美幸心配性だな〜？大丈夫大丈夫！そんなチクる度胸なんかある奴いないって」
「そう…だよね。」
咲良子に言われて、美幸は少し安堵した顔で頷いた。
「よし、今日はカラオケにでも行くか！」
「えー、でも、あたし親に言ってないし…」
「いいじゃんいいじゃん、通夜で遅くなったことにしとけば。」
「そっか、そうだよね」
「よっしゃー、行くぞー！」
楽しそうに繁華街へと向かっていった。
もうみんなとカラオケとかにも行けないし、おしゃべりも出来ないから寂しいけど、それよりも今は…
「ムカつく……」
そう呟いた時、誰かがすっと私の横を通り過ぎていった。もちろん私の声が聞こえることは無い。
死んでアイツらの人生、滅茶苦茶にしてやろうと思ったのに。てかさ、遺書ちゃんと置いておいたよね？
なんで見つかってないのよ！
あんなに分かりやすく置いておいたのに……
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作者名：M 1 R A 7. | 作成日時：2020年5月8日 0時
