日常を、あなたと (ページ44)

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✳︎✳︎✳︎ Shosei ページ44

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美容の専門学校で、

メイクアップ専攻の俺

初めてのコンテストが間近に迫っていて、

他の同級生たちと毎日遅くまで残って作品制作をしている

ある日、

同じ科で、メイクのフォトコンテストで入賞した先輩たちの

講話があった

4〜5人の先輩から話を聞いて、

制作で気をつけたことやアドバイスなどをメモする

「はじめまして。」

一番最後に話を始めた人の作品を見て、

目が離せなかった

他の人の作品は

女性をモデルに制作されている中、

この先輩のモデルは、

男性だったから。

男でメイクに興味があるなんて変なんかな？

専門に入って、メイクを専攻して

なんとなく負目に感じていた時もあった

その頃の気持ちが、

今一気に肯定された気分になった

『Aさんの作品、すごいね』

『男の人なのに』

周りも思っていることは一緒のようだった

Aさん、っていうんや…

「男の人だからメイクはしない、女だからメイクをする、

こういう古臭い固定観念を捨てれば、

また新しい流行が生まれると思いました」

私にしか作れないと思った、自信のある作品です

作品を語る彼女の瞳は輝いていて、

夢を叶えるための過程にいる自分を

冷静に、楽しんでいるようだった

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祥「あのっ、すみません」

「はい？」

祥「あの…、僕の作品見てくれませんか

もうちょっとで完成なんですけど、

まだ何かできる気がして…」

勇気を出して彼女に声をかけて、

作品撮りまでの1週間、

放課後に作品を見てもらうために連絡先を聞いた

「男の子でメイクの世界に飛び込んでくるなんて、

祥生くんかっこいいね」

真っ直ぐに俺を見つめてそういう彼女に

俺は少しずつ惹かれていた

彼女のためにも、頑張ろうと思えた

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俺の作品が入賞したことを報告すると

一番に喜んでくれた彼女

「お祝いしてあげるよ！何がいい？」

祥「…俺、Aさんの彼氏になりたい」

「…え、？」

祥「好きになっちゃいました、Aさんのこと。

付き合ってくれませんか、」

返事の代わりに、遠慮がちに抱きついてきた彼女を

俺は強く抱きしめ返した

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