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「 ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ 」
不快な声だった。
そして不快な香りだった。
気付けば大柄な男たちが前後を塞いでいて、カルマくんと背中合わせになって目の前のやつらを睨みつけた。
「 …何、お兄さん等？観光が目的っぽくないんだけど 」
「 男に用はねー。女置いておうち帰んな 」
そう1人が言ったとき、後ろで動いた気配がしたので私も一歩踏み出し、目の前の男の鳩尾に蹴りを入れた。
油断していたそいつは反射で腹部を抑えて前のめりになる。
それを狙って首元に踵を落とせばそいつは足元に転がった。
「 ホラね渚くん。目撃者いないとこならケンカしても問題ないっしょ 」
「 そーだねぇ 」
聞き覚えのない、けれど余裕のある声が後ろで聞こえた。
それに対して振り返れば、カルマくんが倒れていくところで。
「 カルマくん‼ーーーッ 」
咄嗟に意識が向いた、それがいけなかった。
後ろで空気を切る音がして背中に衝撃が走る。
それに抵抗しきれずに倒れると次にはお腹に男の足がのめり込んだ。
「 かは…ッ 」
「 おい、女さらえ 」
肺が潰されたように呼吸がうまく出来なくなる。
そのため横から伸びてきた腕にもなんの抵抗も出来ずに身体が無理やり持ち上げられた。
横で茅野ちゃんや神崎さんも連れて行かれるのを見て、彼女たちはきっと、こんな状況とは無縁のはずだったのにと後悔する。
意識が白くなっていく中で、最後に見た彼の姿が無性に心配だった。
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薄れる意識の中で確かにAの声を聞いた。
「 い…ッて 」
殴られた後頭部がズキズキと痛む。
でもそれより何より、彼女の姿がこの場にないことに酷く焦燥と怒りを覚える。
「 み、皆‼大丈夫ですか⁉ 」
「 …良かった、奥田さんは無事で 」
「 …ごめんなさい、思いっきり隠れてました 」
いや、それで良いのだ。
あんな奴らに反抗しようなど、普通の奴は無理だ。
そう無理なはずなのに。
こんな風になるなら抵抗の術でなく身を隠す術を教えてやれば良かったと、しても仕方のない後悔をする。
「 …車のナンバー隠してやがった。多分盗車だしどこにでもある車種だし、犯罪慣れしてやがるよあいつら。通報してもすぐ解決はしないだろうね。
…ていうか俺に直接処刑させてほしいんだけど 」
彼女を傷付けて奪っていった代償を味あわせなければ気が済まない。
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奏(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます！ (2018年11月2日 11時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます！とっても面白いです！夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ！頑張ります、ありがとうございます！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年9月14日 22時
