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「あ…酒井さん…」
いつかの飲み会で知り合ったシステム課の酒井さんの姿があった。
「すごい偶然！え、岸くんとごはんですか」
「あ、はい。仕事で、前に 、」
お世話になって、
と言った声が掠れてうまくでない。
また、岸くんの顔が見られなくなってしまう。
「5名でご予約の酒井様ですね。こちらにどうぞ」
「酒井さん！行きますよ〜」
「あーはいはい。水野さん、また、今度でいいんで、俺ともメシ行きましょうよ。奢るんで！」
「あ、はい…また、今度」
「お願いしますね！また誘います」
無邪気に放たれる言葉になんて返事したらいいか分からず、曖昧に笑う。
ひらひらと手を振って、酒井さんたちは奥のテーブルへと歩いていった。
「………、え、と…びっくり…した、ね」
残り香のように気まずくなってしまった空気を変えたくて、なんとか言葉を絞り出す。
「………っ岸くん、こっちのももっと食べる？わたしもう＿＿＿「また今度って、なんすか、」
差し出したお皿が、岸くんのグラスに当たって、カチャンと音を立てた。
ごめんなさい、と咄嗟にでた私の声は、情けないくらい小さい。
「…あの人ともごはん行くんすか？」
「……い、かないよ、行くわけな…」
「でもまた誘います、ってあの人言ってたじゃん。次誘われてAさん、なんつって断るの？」
岸くんの声が、冷たい。
こんな声を聞いたのは初めてだった。
そこに含まれた棘が、縫い終えたはずの傷口にずきずきと食いこむ。
痛くて、苦しくて、逃げたくなる。
わたしだって、辛いのに、
我慢してるのに、
気づいたら、わたしは頭に浮かんだ言葉をそのまま口走っていた。
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くう(プロフ) - 最高です！ (2019年12月5日 23時) (
レス) id: e22c604d4b (このIDを非表示/違反報告)
kcnam(プロフ) - ステキです。もぅドキドキでその先もきになります(^^) (2019年4月15日 14時) (レス) id: 3a92bf89c4 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - どのストーリーも、キュンキュンです。このまま、結婚へ繋がるのでしょうか？もっと続きが読んでみたいと思いました。よろしくお願いします。 (2019年3月28日 8時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - ヤバイ！(;゜0゜)めちゃめちゃ面白い！！岸くんカッコいい( ☆∀☆)これからも頑張って下さい♪ (2019年3月23日 8時) (レス) id: 1f2316b085 (このIDを非表示/違反報告)
琉叶(プロフ) - しろさん» しろさま、コメントありがとうございます！一気読みしてくださったとのことで光栄です、！あとがきまで丁寧に読んでくださり…しろさまのメッセージにも、岸くんや作品への愛が溢れております。次作でもぜひぜひお会いできるのを楽しみにしております、！ (2019年3月19日 2時) (レス) id: 2350b99a22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琉叶 | 作成日時：2019年3月12日 1時
