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瑠奈side
知らなかった
龍昇があんな風に思ってくれてたなんて
確かに気の許せる相手が少ない私にとって龍昇は心の拠り所だった
いつも頼りにしてたし悩みも全部打ち明けてた
でも私には
瑠奈＞洋平くん…
龍昇の言っていた「先輩」の事がまだ頭にある
龍昇にはああ言ったものの、まだ忘れられずにいる
私は中3までは富山にいて高校入学と同時に今の埼玉に来た
そして洋平くんこと釣田洋平先輩とは中学が一緒だった
2つ年上で私が中1の時、洋平くんは中3だった
当時私の通っていた塾が一緒で家も近かったからすぐに仲良くなれた
最初は洋平先輩って呼んでいたけど気づけば洋平くんになってて敬語も無くなっていた
洋平くんは頭がいい上にイケメンでサッカーも出来る非の打ち所のない人で当然女の子からもモテモテだった
私も洋平くんに惹かれていて塾や帰り道はいつも楽しかった
少ししてから洋平くんから告白された時、本当に嬉しかった
学校でも会うようになってあの時が私の中で1番輝いていた
しかししばらくすると洋平くんは変わった
学校や塾でも話しかけてくれなくなって、帰りも1人で帰ってしまうようになった
明らかに私を避けていた
私は洋平くんを引き止めて問い詰めた
瑠奈＞洋平くんどうして私を避けるの？
洋平＞ごめん受験勉強しなきゃだから
何度聞いてもそれしか返ってこなかった
そのうち私も相手にされないことに虚しく感じて洋平くんとは自然消滅してしまった
洋平くんはその後塾を辞め中学を卒業したことで会うことは無くなった
大学は慶應に行ったって聞いたけど東京と埼玉でも全然会うことは無い
しかし私の中では急に冷たくされたことに未だに疑問を抱いている
頭のいい洋平くんにとって高校受験は苦ではなかったはず
それなのに受験勉強を理由に私を避けたのには他に理由があると思う
その話を前に龍昇にしたら私がまだ洋平くんを好きなんだと思ったようだ
嫌いかと聞かれると嫌いではない
しかし好きという感情が残っている訳では無い
ただ会って理由を知りたいと思っているだけだ
それは好きということなんだろうか？
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作者名：るな | 作成日時：2019年12月30日 11時
