１２月０９日。 ページ9
「お邪魔しまーす」
「おっじゃまっしまーす！」
「お、お邪魔します……」
三人の声の後に、微笑んで母は言った。
「いらっしゃい、いつもAと仲良くしてくれてありがとうね」
Aが「こっちこっちー！」と友達三人を二階へ案内した。
部屋を見せ「自由に座って」とAが言うと、まず一人がスマホを片手にAのベッドに飛び乗った。もう一人は近くの椅子に座り、取り残されたような最後の一人は慌てて床に正座で座った。
「で、早速本題に入るけど……轟くんとはどういう関係？」
ベッドに寝転がったまま、視線だけをAに移して楽しそうに尋ねる。もう一つの椅子に腰かけながら、少し呆れたようにAが返す。
「やっぱり、それが目的か……」
「あったりまえ！ ねぇねぇ、どうなの？」
えー、と困った顔をしていると、椅子に座っていた友達がゲーム機から目を離さないまま言う。
「A困ってるでしょー、やめといたら？ ユキナ」
「やだやだ〜！ 私は轟くんとAの関係が気になるの〜！」
ベッドの上で駄々をこねるユキナを見ると、正座していた彼女は足を崩しながらおどおどしたように言った。
「や、やっぱり、無理やり聞くのは……」
「いーや！ 私は満足するまで帰らないよ！」
「なんという自己中な……」
三人の会話を聞いていたAは、苦笑しながら話に割って入った。
「はいはい、皆静かに。特にユキナは」
ムスーッとしたように頬を膨らませるユキナは、ゴロンと深くベッドに倒れた。彼女と軽く言い合いをしていた二人は、顔を見合わせて少し笑った。
「うーんと、じゃあ、デートは行った？」
「誰も質問してとは言ってないんだけど……」
机の上に置いてあったお菓子を、ベッドから手を伸ばし口に運ぶ。緊張感のない彼女はスマホ片手に質問を続ける。
「手は繋いだ？ あ、まずは名前呼びか。あとは……キスは？ した？」
「手も繋いでませんし名前呼びもしてません！ 接吻もしてません！」
力強く言い切るのを見て、ユキナどころか友達全員が笑う。Aは少し恥ずかしそうに椅子の上で膝を抱えた。
「ふん、いいもん。どうせ……」
「まぁまぁ。フワリは？ どう思う？」
いきなり話しかけられたフワリは少し肩を揺らす。
「と、特には……スズちゃんは？」
「私もわかんなーい」
そう言いながらゲームに向き直すと、またユキナが質問し始めた。
今日一日、ユキナによって轟との出来事をすべて吐かされたAだった。
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夜桜瑠奈(プロフ) - ナイトメアさん» ありがとうございます！素敵でしたか……よかったです( *´艸｀)私もこういうほのぼのした雰囲気が好きなので、そう言っていただけるととても嬉しいです！閲覧ありがとうございました！よい年を過ごしましょうね！ (2018年1月4日 20時) (
レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
ナイトメア(プロフ) - 完結お疲れ様でした！！サラッと読んだだけなので、特にコメントも何もしていませんが！とっても！素晴らしかったです！やっぱり、いいですね、こういうのは…！素敵です！！これからも頑張ってください！応援してます！！良いお年を！ (2018年1月4日 20時) (レス) id: bdeef1bdf0 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜瑠奈(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» ご愛読ありがとうございました！いつもご感想をありがとうござます！大変励みになります……！恋人らしくなっていく様子は何とか書くことが出来ましたが、やはり〆が……(笑)こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします！m(__)m (2017年12月31日 21時) (レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 完結お疲れ様でした！今回も非常に丁寧な仕上がりで、またぴしっと完結まで出来て本当に凄いなあと思います！どんどん恋人らしくなっていく二人に、胸がきゅんきゅんしました！素敵な作品をありがとうございます！▼そして、来年もよろしくお願いします。良いお年を！！ (2017年12月31日 21時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜瑠奈(プロフ) - 雷光さん» すみません……！お答えしたいのは山々なんですが、少しリクエストにはお答えしにくい小説の書き方をしているので……申し訳ありませんが、お断りさせていただきます……m(__)m (2017年12月30日 22時) (レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
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