１２月０８日。 ページ8
放課後、今日は二人とも予定が開いていた為、図書館で一緒に勉強することになった。
ここ等辺りでも広めの図書館で一階と二階があり、二階には学生が勉強できるスペースがあった為そこで勉強することにした。
暖房がかかっていて、時々温かい空気が髪をふわりと持ち上げる。人は多かったが、皆机や本に向かっていたのでとても静かだった。ペンが机に転がる音や、本のページが擦れる音ですら目立ってしまう程だ。
二人は二階へ行き、隅の方の勉強スペースに座った。防寒着を取り、それぞれ教材を出し始める。
「轟くん、勉強は得意な方？」
Aが周りに迷惑にならないような声で言うと、轟も同じくらいの声の大きさで返す。
「ああ。秀抹は？」
「不得意ではない、かな」
へへっと笑って言いながら、ノートを広げるAを見ると轟は少し考えてから言った。
「分からないところがあったら言ってくれ。俺で良ければ教えるからな」
一瞬突然の轟の言葉に唖然とした顔になったが、すぐに笑った顔になって「うん」と返した。
***
二十分程、一言もしゃべらずにそれぞれ塾の宿題や学校の課題をしていた。英語のリスニングをしようと轟が鞄を漁っているとき「あ」と声を漏らした。
「秀抹、悪い。イヤホンあるか？」
「えっと……うん、あるよ」
はい、とスマホについていた付属のイヤホンを渡す。礼を言ってスマホにイヤホンジャックを差し込むと、何かを思い出したかのように再度声を掛けなおした。
「なぁ、こう言うのって二人で使うものなんだろ？」
「うん。……え？」
勢いで頷いてしまうほど、自然な流れにAは戸惑った。さらに轟が自分に片方のイヤホンを差し出しているのを見て、さらに戸惑った。
「えー……っと、ありがとう？」
ぎこちなく疑問形になりながらもAはイヤホンを受け取った。満足そうにうなずきイヤホンを付けた後、轟はまた机に向かいだした。
Aもイヤホンを左耳につけて机に向かい直す。お互い机に向かうと、イヤホンの長さがギリギリで外れないか心配しながら課題をやり遂げていった。彼と聞いている英語のリスニングと同じページだった。
***
「そこ、違うぞ」
「うわっ！？」
轟がいきなりAの顔の横に近づいていった。大きな声を出してしまった恥ずかしさと、近すぎる距離間に顔を赤らめる。
「スペルがoじゃなくてaだぞ。あと、イヤホンありがとうな」
同時にAは心の中で、距離を縮めてくれたイヤホンに礼を言った。
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夜桜瑠奈(プロフ) - ナイトメアさん» ありがとうございます！素敵でしたか……よかったです( *´艸｀)私もこういうほのぼのした雰囲気が好きなので、そう言っていただけるととても嬉しいです！閲覧ありがとうございました！よい年を過ごしましょうね！ (2018年1月4日 20時) (
レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
ナイトメア(プロフ) - 完結お疲れ様でした！！サラッと読んだだけなので、特にコメントも何もしていませんが！とっても！素晴らしかったです！やっぱり、いいですね、こういうのは…！素敵です！！これからも頑張ってください！応援してます！！良いお年を！ (2018年1月4日 20時) (レス) id: bdeef1bdf0 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜瑠奈(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» ご愛読ありがとうございました！いつもご感想をありがとうござます！大変励みになります……！恋人らしくなっていく様子は何とか書くことが出来ましたが、やはり〆が……(笑)こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします！m(__)m (2017年12月31日 21時) (レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 完結お疲れ様でした！今回も非常に丁寧な仕上がりで、またぴしっと完結まで出来て本当に凄いなあと思います！どんどん恋人らしくなっていく二人に、胸がきゅんきゅんしました！素敵な作品をありがとうございます！▼そして、来年もよろしくお願いします。良いお年を！！ (2017年12月31日 21時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜瑠奈(プロフ) - 雷光さん» すみません……！お答えしたいのは山々なんですが、少しリクエストにはお答えしにくい小説の書き方をしているので……申し訳ありませんが、お断りさせていただきます……m(__)m (2017年12月30日 22時) (レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
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