最強女呪術師はクソ雑魚【呪術廻戦】 (ページ31)

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「まぁ、そりゃくるよな」
「……俺にも手伝わせてください」

お願いします、と伏黒は頭を下げた。Aは呆れたように笑いながら「いいよ」とポケットから手を取りだした。

「ただ、ふたりにもお手伝いしてもらおうかな」

え、と言った表情をした瞬間、伏黒の後ろにいたふたりが話しかけた。

「自分の話しなさ過ぎ」
「だな」

クク、と含み笑いをしながらAはくるりと背中を向けた。

「じゃあ、あとは頑張れ」
「あれ！？A先輩手伝ってくれるんじゃなかったの！？」
「やばそうなら手伝うよ。今回私は引率だしね、いい成長の機会だと思ってさ」

そう言うとAは高い木の上に昇って休むように腰かけた。しばらく不可解な表情をして見つめあっていた3人だが、少し話をした後に川を渡って行く。

(恵、嬉しそうだったなぁ。本当に変わりやがって、悠仁や野薔薇ちゃんと出会ってからか……)

ペリ、と棒付き飴を包んでいたビニールを剥がし口にくわえた。

(おそらくこの戦いでは誰も死なない……嫌な気配は多数あるけど、まぁ大丈夫でしょ)

しばらく時間がたち、舐め終わった飴の棒を空なめしていると、領域が消える気配を感じた。

(恵の方は終わったかな。あと2人は……まだ遠くで交戦中、ってとこか)

虎杖は既に人間の形をしていない人間を殺している。ふわりと宙に舞うようにして地面に飛び降りながら思考をめぐらせた。

(人を殺すのは呪術師としてのひとつの大きな節目だ。頑張れ、青っ子ども)

地面に足をつけるなり、軽い足取りで伏黒の元へ向かう。

「恵～、元気？」

血まみれの伏黒を覗き込むようにして顔を見た。Aの髪が彼の顔に触れるか触れないの距離のまま、伏黒は眠そうな声で「元気じゃないです」と返す。

「またぐちゃぐちゃじゃん。というかそれ、宿儺の指か」

ということはやっぱり特級レベルだったのか、と体勢を戻しながら呟く。
伏黒は心配げな表情で、隣に座り込むAの方に顔を向けた。

「あの、2人は……」
「ん？あぁ、大丈夫、見てるからな。恵は2人が帰ってくるまで寝てな」

言い終える前に伏黒は眠りについていた。遠目から見たら死んでいるようにも思える。

(華園……は、必要ないかな。硝子さんほど反転術式を扱えたらいいんだけど、使いすぎても目立つしなぁ)

そしてまたしばらく時間が経った。Aの身長より低いくらいの石が積まれた頃、木々の中から傷だらけの虎杖と釘崎が現れる。