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京都姉妹交流会が始まっている間、Aは別の場所で任務をこなしていた。
(そういや今日、死んだと思ってる悠仁のお披露目会か……帰ったら感想でも聞いてやるか)
学校の体育館裏、地面が見えなくなるほどの不良が倒れていた。1人の胸ぐらから投げ捨てるように手を離し、別方向へと顔を向ける。
「"
鼻を覆うようにして手を重ねると、周りにいた低級の呪霊は鼻のような部位を抑えながら悶え苦しみ、数秒で消失した。
震えながら隅の方で震えていた、不良と同じ校章をつけていた少女の肩を叩く。
「大丈夫？もう終わったよ」
耳を塞いでいた少女はゆっくりとAを見上げた。
「ちゃんと目を伏せて耳を塞いでくれててありがとう」
「……全部、あなたが？」
うん、と答えながら涙ぐむ少女の目元を絹性のハンカチで拭った。
少女の手を引き、乱れていた髪の毛を撫でるようにして整えながら安心させるように話す。
「もう大丈夫。コイツら、多分明日から君にも他の人にも手を出さないから。もし同じように怖がってきる人がいたら教えてあげて」
「ありがとう、ございます……！！」
ニコリと微笑むAに声を震わせながら少女は言葉を返した。
(この子は強い。ちゃんと立ち向かおうとしてた)
Aは横目で数人のグループの女子高校生を見た。高らかな声を出し、手を叩きながら耳をつんざく笑い声が響く。
(……アイツらは弱い。弱い女は、嫌いだ。助ける気も起きないな)
少女たちに取り付いた低級呪霊から目を離し、その場から離れた。
京都姉妹交流会が終わった後、Aはふらりと3人の元へ訪れた。
「お疲れさん、ちゃんと勝ったかーって、あれ、なんかあった？」
手をヒラヒラとさせながら虎杖の部屋に集まっていた3人に目を向ける。
「あ！A先輩！任務お疲れ様っす！！」
「あれ？そこ2人面識あったんだ」
「というか、なんで何かあったって気づけるんですか……」
何、スマブラしてんの？とAは3人の近くへ腰を下ろす。
「一応悠仁が死んでから定期的に顔合わせてたからな。あと硝子さん……あぁ、家入硝子さんの呪力が付いてたから、また伏黒恵がボコられてるんだって気づいたんだよ」
野薔薇ちゃんは今日も可愛いね、と釘崎の髪に触れながら答える。
虎杖はなるほど、と明るい顔をした後に不思議そうに首を傾げる。
「そういや、なんで伏黒だけフルネーム呼びなんだ？」
「ん？気に食わないから」
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作者名：桜芽杏 | 作成日時：2021年1月11日 20時
