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冷たい、嘲るような声が響く。
「お前、最強なんだろ？ちょっと俺らと付き合えよ」
ゲスな顔をした男どもはAの腕を掴んで人気のない場所へ連れ込む。
「最強だけど、何？」
私はニッコリと言葉を返した瞬間、握られていた拳で殴られた。
殴られ、殴られ、殴られ。
5分もしないうちにAの皮膚はボロボロになり、所々から血が流れ始めた。
「ハハ！噂通りだ、やっぱりコイツ"自称最強"だぜ！」
「たいしたことねぇな！オイ、早く脱がせようぜ」
「まぁ焦るなって、そのために学校裏に連れ込んだんだからよォ」
彼らの感情が、負の感情がうずまき始める。Aの手を伝い、全身に流れ始める。
「ありがとうな」
Aは1人の男に掴まれていた手を握る。
そして、その男を投げ飛ばした。男は壁にあたり、骨が折れる音と共に気を失った。
「……は？」
水滴が蛇口から落ちるくらいの、刹那の出来事。彼らは驚き口を開けたままソレから目を離せない。
Aは自分自身の首に手を纏わせる。親指を喉仏に押し込むように。
「"
ゾロリと青黒いモヤが彼ら3人に染み込む。途端、彼らは腹を抱えてその場にうずくまった。
「腹が……腹が減った……！！何か、食いもん……」
そういうなり、彼らのリーダー格の1人は泡を吹いて倒れる。もう1人も失神し、骨が折れていた男も痙攣して倒れた。
「君らからの呪いはもう受けとったからさ、黙ってこのことは忘れてくれよ」
Aの傷口は何事も無かったかのように治っていく。まるで彼女は呪霊のように、なんの抵抗もなく反転術式を使っていた。
「……まぁ、呪力量的には若干プラスかな」
軽く手を振り、オーバーサイズのパーカーのポケットに手を入れた。彼女は何事も無かったようにその場を立ち去った。
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作者名：桜芽杏 | 作成日時：2021年1月11日 20時
