■■■■■■ ページ45
「初めてそう思ったのは、いつだったと思います？」
背筋が凍った。
彼女は、彼女の顔ではないような、虚ろな顔をしていた。
「4才です。個性が発祥した時の、あの両親の酷く醜く嬉しそうな顔を見た瞬間から、私は世界を征服してやることを決めたんです」
笑っていた。
少し頬を上げで、眉を八の字にさせて、声のトーンを上げていた。
ホークスには、泣きそうになっている1人の女の子の顔にしか見えなかった。
「絶対に2人の言う通りに完璧な人間になってそれで──」
Aは手からマグカップを落とした。コーヒーが足元に零れていくのと同時に、痛みを感じてしまうほどの何かに体を抱きしめられていた。
「……啓悟くん？」
何が起こったのか分からないAを、必死に繋ぎ止めるように腕に力を入れ続けていた。
「痛いですよ、啓悟くん」
「……ごめん」
「謝る必要なんて」
「ごめん」
彼女は涙の1粒も見せなかった。ずっと笑ったまま、「可笑しな人ですね」とホークスの頭を優しく撫で続けた。
「啓悟くんが初めてでした。私のことを天才とか、完璧超人とか、そういう言葉で表さない人。距離を取らない人。
その時から、私はずっとずっと啓悟くんが××なんですよ？」
───────────────
守らないといけない。
【怪我をさせないようにする。怪我をしたら注意する】
完璧な私が守らなければならない。
【他の人では彼を守れない。私だけが彼を守れる】
傷をつけてはならない。
【心も体も、誰一人として触れさせてはいけない。彼は私しか触れてはいけない】
悲しませてはならない。
【私しか彼を悲しませてはいけない】
他の人と触れさせて汚しては行けない。
【私しか、私しか、私しか、彼を汚してはいけない】
ずっと、ずっと私のわたあめであり続けなければ、彼はすぐに溶けてしまうから。
だから、
「好きだよ、啓悟くん。この世で誰よりも」
これは依存なんかじゃない。誰よりも深い愛だから。
私はそう信じ、今日も彼から貰った指輪をネックレスとして首にぶら下げた。
ずっと私の傍にいてね、啓悟くん。
私の愛しい、
終わり
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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