ご〜 ページ5
「も〜速いです〜！速すぎます鷹見くん！」
いつの間にかその女は、ふわふわなわたあめに乗ってホークスの隣まで来ていた。
「……孫悟空かよ」
「かめはめ波ーは撃てませんよ？」
「西遊記の方な」
なるほど！と楽しそうに笑う彼女を見て、深くため息を付いた。
仕方がない、とバサりと翼を羽ばたかせながら赤い羽根をほとんど空中に飛ばした。
「これは？」
「羽根が少なくなったら飛行能力が落ちるからこうして練習してるの」
いざとなった時のためにね、とぐらつく体を雨覆だけを羽ばたかせながら体勢を整える。
「もしこの残り少ない羽に私のわたあめをくっつけたらどうなるんですか〜？」
「ん？あぁ……さすがに動きづらくなるだろうなぁ」
「使ってみても？」
あー、と一瞬考え込んだが、敵がそういう封じる系の個性だった場合のシュミレーションとしては使えるかと考え、「責任はとってもらうからな」と了承した。
「えいっ」
ぽふりとわたあめがAの指から出てきて、繊維状になりホークスの翼に張り付いていく。
だんだんと彼の翼がわたあめの様になっていくにつれて、彼の羽は羽ばたかなくなってくる。
「大丈夫ですか〜？そろそろ戻した方がいいんじゃないですか〜？」
「いや……っ、大丈夫」
翼が重い。けれどおかげで弱点がまた1つわかった。こういう時は翼を優先させてバラしてる羽根を戻した方がいいと考える。
そう思い周りにバラけさせていた赤い羽根を戻そうとしたが、わたあめが邪魔で上手く戻せなかった。
「うーん、私の砂糖の繊維も結構空気中に広がっちゃいました。
もしかしたらこの散らばってる羽根にもついちゃったかもしれません〜！回収しますね〜」
Aが辺りを見渡しだしたその瞬間、ピクリともしなくなった翼に驚く声も出ないまま思考が止まってしまった。
(──あれ、もしかして翼動いてない？)
翼の感覚がない。わたあめのせいだろうか。浮遊感と共に落下していく重力の力を感じる。
近くの古いアパートと同じくらいの高さまで落ちていこうとする事実だけが目に映り、顔が青ざめた。
背中、折れないかな。痛いのは嫌だな。
そう思った刹那、誰かに受け止められるような軽い衝撃が全身を走った。
「あっ……ぶな」
流れるようにホークスを抱えるようにしてAは彼を受け止めていた。
驚いた顔をするホークスにAはすぐさま「ごめん」と謝った。
「調子に乗りすぎた。なんと言ったらいいか……本当にごめんなさい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
