よ〜ん ページ4
カチリと何かが固まったような音がした。
突然声色が変わった彼女にホークスは思わず目を開けた。そこには先ほどまでの張り付いた笑顔とは違う、冷酷な顔をしたAが冷淡な目でホークスを見つめていた。
「私はね、鷹見くん。世界を幸せに変えた人がその世界の主導権を握ると考えているのです。
だってみんな平和にした人のことを尊敬するでしょう？凄いって思うでしょう？
そして私は世界を征服して、あのムカついた顔をする両親らをぶちのめしたいのです」
哀れむような表情で「あ、そう」とホークスは返した。
「鷹見くんは？」
「……ヒーローが暇を持て余す世の中にしたい」
すると彼女はパッと笑顔になった。
「お！私たち、目的は違えども同じ道を通りますね〜！仲良くしてくださいね！」
では！とその場からAは消えていった。
ホークスはその後の、変に落ち着いた公園で不意にこんなことを考えた。
(なんであの子はわざわざここへ来たんだろう。本当に個性を使いたかったのか……？)
その後、毎日のように彼女はその公園へと訪れるようになった。
「鷹見くん、こんにちは〜」
何も言わずに目を閉じたままのホークスに「無視ですか」と口をとがらせるA。
するとしばらくして、ホークスは羽を小さくばたつかせながら「あのさぁ」とAに声をかけた。
「このベタつき、キミせいでしょ？」
「やっぱりその羽すごく精度がいいんですね〜」
ニヤニヤと木の上に登ったまま笑うAに小さく舌打ちをした。
ホークスの羽には、太陽の光に反射してようやく見えるほどの砂糖の糸のようなものが絡まっていた。
「ごめんなさい、すぐに戻します〜」
Aが指をクルクルとすると、ホークスの羽に絡まっていた砂糖が指に巻きついてきた。
「こうするとわたあめみたいに回収できるのです〜！私はこのわたあめでベタつかないのですよ〜」
「……聞いてないけど？」
「聞きたそうな顔をしてたので〜！」
マイペースでわたあめを食べ始めるAに痺れを切らしたホークスは、深いため息をつくと翼を羽ばたかせ上空へ飛び立った。
「個性の使用は公共の場では禁止ですよ〜？」
声を張ってホークスを見上げるAを見下ろし、黙ったまま上空へ飛び立った。
「……もう免許、取ってるんですかね」
しばらくして雲が見えてきた頃、酸素の薄くなった場所まで飛び続け、豆粒ほどに小さくなった公園を見下ろした。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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