にじゅうし〜ち ページ27
「あ、ヘアピンの兎、最近はやってますよねー！」
ヒーロー事務所の資料を市役所に提出しに来ていたAに、役所の人が手元の資料をまとめながら声をかけられる。
「そうだったんですか？」
ヘアピンを触りながら答えると、役所の人は営業スマイルで「はい！」と笑いかける。
「一流のブランド品で、しかもゆる可愛い！っていう感じで、20代の層に受けてるらしいですよー！！」
「へ〜、そうだったんだ……」
少し考えてから、クスっと小さく笑う。
「私にしか似合わないと思って買ってくれたんだろうなぁ……」
「……え？」
しっかりと聞き取れなかった彼女はそう聞き返すが、何も無かったかのようにAは別れの言葉を告げてその場を去った。
するともう1人、別の役所の人がAと話していた彼女に話しかける。
「……もう行きました？」
「ええ、行ったけど」
「よかった〜！あの子、実は高校の時同じクラスだった時があったんですけど……」
彼女は周りを見て、コソコソと無声音で上司にこう伝える。
「いつも1人だったんですよ。
人気者だったんですけど、私とか他の女の子が、仲良くしようとしたらその……凄く笑顔で、距離を作ってくること言ってくるんです」
──どうして私が貴女と一緒にいないといけないのでしょうか？私は全く楽しくないのに？
──あはは、イヤですねぇ〜、嫌いじゃないですよ？好きでもないですけど。
昔を思い出したのが、ゾクッと身体を震わせる。
上司はあらあら、と困った顔になりながらAの背中を目で追い続ける。
「でも、あの子すごく頑張ってるよ。最近ホークスさんとよくヒーロー活動してるの見るし、もう事務所も建ったみたいで……」
「あのホークスさんとですか！？そんなん聞いとらんと……確かに学生時代はよく一緒にいましたけど……」
目で追っていたAの元へ、空中から音を立てて赤い翼を羽ばたかせるホークスが現れる。
顔を見合せ、2人は幸せそうに笑いながら共に空へと飛んで行った。
「……あと、もう1つ、Aちゃんに関する怖い噂が合って」
噂なんですけど。そう強く念押しして、彼女は飛び立ってしまった後の方を見る。もうAの姿はない。
「Aちゃんがヒーローになったのは、世界を征服してから、自分と仲のいい人以外を全員消すため、とか……」
「あくまでも噂、でしょ？優秀な子には妬みは付き物だから、あまりに鵜呑みにしないようにね」
上司はそう言って、クスクスと笑う。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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