にじゅうろ〜く ページ26
「……結構買ったね」
「えへへ、最近あまり買い物に行けてなかったもので」
Aがそう言うと、ホークスは「あっ」と声を漏らした。
「ごめんね、俺が仕事の無茶に突き合わせてたから」
「いえいえ！むしろこうやってパーッと買ったことが無かったので、楽しかったです〜！」
両手に持つ多くの荷物をゆさゆさと揺らしながらガッツポーズをすると、ホークスはサッと荷物を横から取り上げた。
「持つよ、あと帰りにAの家に寄っていくから。女の子1人にしたらいけないしね」
爽やかな笑顔で先を歩き始める。Aは重くないのにな、と心の中で思いながらも素直に頷いた。
「ありがとうございます！じゃあお願いしますね、啓悟くん」
その後、人混みにもまれ電車に揺られ、時々2人に気づいた人にファンサービスを行ってAの家に着いた。
「今日はお付き合いありがとうございます！ご飯美味しかったです〜！」
「いやいや、前のお礼だったから。あ、そうだ、あとこれ……」
そう言い、ホークスは鞄から、可愛らしいピンク色の紐で包まれた白い箱を取り出す。
「幼すぎたかもしれないけど」と少し照れくさそうに渡すと、Aはパッと顔を明るくさせた。
僅かな街灯の光が、日の沈んだ暗闇の中でAの目を輝かせる。
「すごく嬉しいです……開けてもいいですか？」
静かに頷いたのを見て、Aは紐を解く。
中には2つのヘアピンに付いた不細工な兎が、Aの方を見ていた。それを見てAは思わず声を漏らす。
「かっ……」
「か？」
「可愛い、これ」
素の声なのか、少し低い声で「わぁ〜……」と見つめた後に、すぐに自分の髪の毛に付ける。
「……似合う？」
「うん、すごく可愛い」
サイドに止められたヘアピンは、なんの違和感もなくAの髪の毛に飾られていた。
「へへ、嬉しいです、今年の誕生日プレゼントにピッタリです」
「え？」
「実は今日だったんですよ、私の誕生日」
ぎゅっと胸もとに空になった箱を押し付けて、ヘアピンに手をかざす。
「生まれて初めての、誕生日プレゼントをありがとうございます」
お返しさせて頂きますね。そう笑う彼女の顔は、とても幸せそうだった。
だからこそ、ホークスは彼女の髪に手を伸ばした。
1歩、距離を詰めた。
「……ヘアピン、ちょっとズレてる」
彼は小さく笑ってヘアピンを付け直す。
(ここで、キスの1つでも出来たらカッコよかったのかな)
そんなことを思いながら、Aから1歩遠ざかった。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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