さんじゅうさ〜ん ページ33
「ん？どうしたの？」
高校生かホークスらより少し低いくらいの年齢だろうか。私服だった少女は、眉をひそめてホークスに問う。
「ホークス、ですよね？ヒーローの」
「そーだけど？」
「私に似た黒髪の短い髪で……人見知りな小学六年生くらいの子を見ませんでしたか？」
Aとホークスは目を見合わせる。Aは首を横に振ると、ホークスは困った顔になった。
「うーん、俺らは見てないねー」
「そうですか……どこいっちゃったんだろう」
はぁ、とその場からは離れない様子でため息を着く。するとホークスはAに耳打ちをして「助けてあげる？」と聞いた。
「助けてもらう気しかないようですよ、この人」
嫌味を混じらせたようにAはホークスに耳打ちし返す。
「おーけーわかった！俺らが手分けして探すよ」
「わぁ！ありがとうございます！でもうちの妹、男の人は怖がっちゃうのでホークスさんは私と一緒にいて下さらないと……」
一瞬、Aを方を見る少女。
「それじゃあ俺はお嬢さんと人混みが多い方へ行くから、えーっと、シルディーは入口らへん見に行ってもらっていいかな？」
Aは少し考えていたように入口の方面へ見つめる。そして「はい！任せてください！」と笑い、ホークスの手を握った。
「何かあればすぐ呼んでくださいね！」
それでは、と荷物を全て持って入口の方へ駆け足で向かっていくA。ホークスは手持ちのわたあめを食べきり、串を捨てて少女と行動を共にし始めた。
「妹さんの名前は？」
「えっと、カレリです。私は……」
「了解」
そう言ってホークスは少女から離れ、人混みの多い方へと向かう。すると少女はホークスの腕を掴んだ。
「あの！妹は人見知りなので、多分そっちには行かないと思います」
「そう？」
手をさりげなく振りほどきながらホークスは「どこにいそうか分かる？」と尋ねた。
「多分、こっちに……花火を見るための穴場だって教えていたので」
少女はホークスの答えも聞かずにそそくさと歩き始める。動きが不審であった少女に目を細めながら、ホークスは後ろへと付いて行った。
「こっちです、ホークスさん」
人が通った形跡もない、人の目にもつかないほどに草木に囲まれた場所へと出る。空は見え、花火は確かによく見えそうであった。
「いたっ」
あちらこちらに伸びていた先の鋭い小枝でホークスの指が切れる。大した事はなくとも、まるで自分を囲うように生えていた小枝を全て回避仕切ることは出来なかった。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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