に〜じゅ〜 ページ20
黙々と朝食を食べ終え、Aは手早く食器を洗い始めた。
「手伝おうか？」
「大丈夫ですよ〜、啓悟さんは歯磨きと髪のセットでもしておいて下さい〜」
ありがとう、と椅子から立ち上がるが足取りがふらつく。
リビングテーブルまで食器を取りに来ていたAは、その様子を見るなりホークスに近寄った。
「啓悟さん、少し失礼」
腰に手を置き、引き寄せるようにして自分の顔を近づける。ホークスは何も声が出せないまま、ぎゅっと目を瞑った。
「……37.6度、ってところですかね。微熱がある」
優しくコツりと、ホークスは自分の額にAの額が付けられているのに気がついた。
ホークスの頭を引き寄せていたAの手は、優しくホークスの頭をポンポンと撫でた。
「今日は、今日だけ休んでください」
「……俺は動ける」
嫌そうに、まるで駄々をこねる子供のように不機嫌な顔になる。するとAは小さくため息をついた。
「今日からは研修でサイドキックさんが2名来ます。それに、啓悟さんは焦っているかもしれませんが、1ヶ月あれば終わるものを1週間で終わらそうとしてるんです。
無理をしてまで1週間で終わらそうとするなら……」
ドンっと肩を勢いよく押さえこまれ、ホークスは体制を崩す。
床に体をぶつけてしまう、と思ったが、体に衝撃はなくふわりと優しいわたあめが体を包んでいた。
「私が止めるよ？」
耳元てそうささやく。ぞくりと全身が震え、やめて欲しいと手はAの肩を持ち、体を離そうとした。
「ほら、耳も赤いし、寝てないと」
カチリと固まったAには反抗できない。風邪で力が出ないから──いや、風邪でなくとも力勝負でホークスはAには勝てなかった。
「……わかってるくせに」
ぼそっと呟くと、Aはわざとらしく「何がですか？」と笑った。
「……別に、なんでも。待っといてあげるから、俺の分も半分は終わらしてきてね」
「もちろんですよ〜」
そう言ってAはホークスの手を引く。わたあめはAの手に戻っていき、何事も無かったようにリビングテーブルの食器をとってキッチンへ戻って行った。
Aが家から出ていき、1人でホークスはAの家のベッドで横になっていた。
若干の頭痛と寒気、そして体の重みだけが気になっていたホークスは、Aが家を出る時に言っていた言葉を思い出す。
『兄が今日暇らしいので、午後から来てくれるみたいです。仲良くしてくださいね』
(Aのお兄さん、どんな人だろ)
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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