一途 ページ1
真夜中、日付が変わりかけるその時刻に事件は起きた。
あたりを焼け尽くす程の火災に何重にも響き渡る消防車のサイレン。困惑する市民を誘導する、人手の足りていないヒーロー達。
そんな中、原因となる"二人の怪物"が路地裏を走っていた。
「……ゴメ、んネ」
人間の言葉を忘れかけているような、思い出しているような話し方で、一人の怪物は腕に抱き抱えていた赤ん坊に話しかけた。
「愛したかっタ、ダカら、せめて生きテクレ」
もう一人の怪物は、人間とは思えない皮膚の手で、触れるか触れていないかの境目で赤ん坊を撫でた。
こんな状況下の中でもスヤスヤと眠る赤ん坊を、二人はふかふかのタオルに包んだ後に路地裏の隅の方に優しく寝かせた。
「生キテ……」
「幸せニナッテくれ、俺タチ、ノ大切な娘よ」
二人は、赤ん坊から逃げるようにして走り去った。そして二人は、二匹は炎が燃え盛る広い広場へと奇声を発しながら姿を現した。
「いたぞ！！ 怪物だ！！」
一人のヒーローがそう叫ぶ。自我を、理性を、愛を忘れた二匹は狂ったようにヒーローに襲いかかった。
一人の男が大きな欠伸をした。地獄のような光景を目の当たりにしていたというのに、彼は不機嫌そうな表情をしていただけだった。
五人ほどの若手ヒーローが二匹の怪物に苦戦しているのを見て、はぁとため息をついた。
「早く帰らせろぉおおおおおお！！！」
彼がそう叫んだ瞬間、周囲に爆音が鳴り響いた。とっさに若手ヒーローたちは耳を抑えたが、知性すら失った二匹の怪物は、ただ酷く痛む脳を抱えるだけだった。
するとどこからか包帯のような布が二匹にまとわりつき、一瞬に怪物たちの行動は制限された。
もぞもぞと拘束を解こうとする二匹を顔を歪ませて見ていたのはイレイザーヘッドだった。
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紫苑(プロフ) - うわああああ待って涙で前が見えないけどブラインドタッチィ―！うっうっ、涙腺が、涙腺が崩壊するたしけて (2月28日 17時) (
レス) @page47 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
ただのらぁめん - 夜に読んでボロ泣きしました､､最ッッッ高でした (2023年4月2日 0時) (レス) @page47 id: 2cf0465f68 (このIDを非表示/違反報告)
San(プロフ) - 涙が止まらない素晴らしい作品でした（ ; ; ） (2023年3月1日 13時) (レス) @page45 id: b5216021f9 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - マイクパパｯｯｯｳｩｯｯ号泣。。素晴らしい物語に感化されました。ありがとうございました。。 (2022年12月13日 0時) (レス) @page47 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
化け猫 - 涙が止まらないｯ!素敵な作品を作って下さりありがとうございます!生きてて良かったと思いました!(T^T) (2022年9月27日 16時) (レス) @page47 id: 7ab55173a1 (このIDを非表示/違反報告)
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