霊験姫と夢幻郷【オリジナル】 (ページ3)

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第二章霊験の姫ページ3

「ばいばーい!」

『うん、また明日ねー』

華澄と縁と別の道で別れ、家まで数メートルお近づいてきた所で私の頭には凰寵様と言う神様の存在が浮かんできた。

神様にも世代交代があって人間から覇権を取り返した凰寵様は確か三代目だった気がする。今は四代目の凰寵様…二代目の孫で三代目の息子さんが後を継いでるって聞いたことがある。

三代目の凰寵様は自らこの世界の中心に姿を現しこの世界を新たな改革へと導いた。四代目は後を継いで200年ぐらいだったと思うけど、そう簡単に世間に姿を現す事ないよね。世界戦争とか起きなきゃ。

『…ちょっと逢ってみたかったりして…』

…いやいや、何言ってんだ私。

そんなの無理に決まってるのに、馬鹿だなぁ。

自分を少し蔑み私は家の扉を開けた。

家は静かで誰も居ない。お母さんとお父さんまだ帰ってきてないのか…。

内心少しラッキーだか、こんな時間まで仕事なのかな?今までこんなこと無かったのに。

___『…ん?置き手紙…?』

本当に誰も居ないのか、ただ部屋が暗いだけなんじゃないかと思い、ずかずかと進んだリビングにあった小さくて綺麗な紅い色をした置き手紙があった。これに書かれてる内容って…

もしかしたら今日帰ってこれないとか…?

だったらどうしよう…。そんな内容だったらどうしようと不安を感じながらも私は手紙を手に取り内容を読んだ。

でも、全く違った内容で私は放心状態に陥った。

千年の星霜経て
十代目に選ばれし霊験の姫君へ

今宵盈月の月影の下
月天子の月宮にて父君と母君をおもてなしして居る次第で御座います

是非霊験の姫君様も御越しください

…………どういうことじゃい。

待って、全く理解が出来ない。…月天子(げってんし)って月天界(つきてんかい)の皇帝だった筈よね…?で、月宮(げっきゅう)はその月天子が住む宮殿……

何故そこにお父さんとお母さんが居るの!?

て言うか、そう簡単に月宮行けないでしょ!?それに霊験って私の事!?この17年間を平凡に暮らしてきたこの私が!?

_____「御迎えに上がりました、A様。」

あ、…御迎え…。

えっ御迎え……?