ドラグニティ・ジェネシス【約束のネバーランド】

. ページ20

「服や靴にもね

____レイ」




「人間の科学技術の常識から考えれば、恐らく電波を使った発信器。

でもそれは内部に電池が要る。消費も早い。

ちょっと計算もしてみたけど、電池寿命が10年以上で手術痕(しゅじゅつこん)が残らない程超小型。201年当時じゃ多分、『実現不可能(フィクション)』の代物」


「…つまり？」


「仕組みを予想して、場所や壊し方を特定するのは困難って子と。

…況して、鬼独自の(・・・・)技術ならお手上げだ。」


「確かに…鬼独自の可能性も寧ろその方が…」


「え…




詰んでない？」


「詰んでる」


「ダメじゃん!!」


『レントゲンとかあれば良いけど無いもんねー…』




…こうは言っているが、僕は大体その発信器が埋め込まれている場所の目星はついている。

母さんは何時も朝僕に逢った時¨必ず¨抱き締め、脈を確かめ、¨耳の裏¨を触ってくる。僕が昔木から落ちて地面に強く頭を打った時でも耳ばかりを気にしていた。

そこまで分かれば発信器は¨耳の裏¨に埋め込まれている事が丸分かりだ。

…エマ達はまだ気付いて居ない様だけど、




「___いや、仕組みじゃなくても予想は出来る。かんがえれば必ず策(て)はある筈」




やっぱりノーマンは天才だよ。

そこまで考えられるのはお前くらいだ。発信器さえ何とかすれば良い。後は母さんと¨1人¨を出し抜けば……、かなり無茶だってことは分かってるけど…。

どんな事を仕掛けてくるか分からない。鬼の絶対的な合理の支配…

答えを見つけ出すには





『情報が足りなさすぎる〜…！』


「それな」





けど…それでも見つけなければ…。


……発信器の『場所』と『壊し方』…¨僕¨なりのやり方で皆の耳を一つ失うのは御免だ。








……今サラッと怖い事言っちゃった。

.→←第5話 やられた！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す