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「 アズールはさあ、ナマズちゃんの何処が好きなわけ?」

「 なんですか藪から棒に……」

「 理由って知りたくなるもんじゃん。一緒にいる時間が長いから、危なっかしいから大事にしたいって気持ちは見えるけど」

「 理由なんて、そんなのーーー」



例えばだけど顔が綺麗だとか性格がいいとか。理由があれば聞きたかっただけで、俺とアズールがナマズちゃんに向ける好きの違いを明確にしたくて。

距離を詰めても微動だにしない彼女は何処までなら赦される範囲なのか知りたくなった。勿論最後までするつもりなど微塵もない、したらしたでアズールを煽る一つにすればいい。


「 ……フロイド、やめろ」


不機嫌な重々しい声が空気を斬り裂いた。
突き放すように彼女の右手はフロイドの口許を遮り二人の間に僅かだが距離ができて、此方を見上げていた黄色の瞳がみるみるギラついた金色へ。



ーーー あ、やっべー喰われる



瞳が金色へと変化する時は、感情が昂り戻るサイン。

過去に一度だけ、エース・トラッポラに食堂でキレた時にみせた後戻りのできない危険な香り。



「 ねえ、ナマズちゃん」

「 あ?」

「 アズールならよくて、俺はダメな理由って……なに?」


人に触れられる事をあまり快く思わない彼女がアズールだけは赦していたことを知っている。

近づけられるのは良くても、触れていいのはたった一人。それがなにを意味するかなんて子供でもわかる話だ。


止めないだろうな、と予想していたものの、拒否されて挙句に嫌悪の視線を向けられて。本来なら向けられることのない本物の捕食者の目に背筋がゾクゾクする。



「 俺だけじゃなくて、ジェイドがしても止めたよね、ナマズちゃん」

「 ……」


黙り……か。無言は肯定の証ってワケ?
なーんだ、俺が動かなくたって教えてるようなもんじゃん特別(スキ)だって。



「 理由なんか」

「 あー、うんうん。もういいよ、ナマズちゃん」


言葉を紡ごうと開いた彼女の口にそっと指を添える。


大方、俺とナマズちゃんを探しているアズールが首にあるチョーカー越しに見ている可能性はなくはない。
今頃、慌てて此方に向かってきているような気がして。



「 じゃあ俺、先に行ってるよ。今日もヨロシクねえ、味見担当」


ぐしゃぐしゃと乱雑に髪を撫で、部屋を後にする。
出たところで壁に寄りかかって待っていたのはジェイドだった。



「 お疲れ様です」


ほーんと、お疲れ様。

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作品ジャンル:ギャグ
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(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます!夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年12月1日 18時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます!性格も最高に面白くて大好きです!頑張ってください! (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月29日 2時

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