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「 ナマズちゃん元に戻んないね」
「 そうだな」
「 俺は楽しいからそのまんまでいいけどナマズちゃんは〜?」
「 俺このままで良い。 アズールの薬不味いし口直しに渡されるの毎回海藻類でそろそろアズールの飯にタコの唐揚げ混ぜてもいいと思う」
「 ちょっと? 全部聞こえていますが僕になにか」
あれから2週間は過ぎようとしているのに、一向に薬が完成しないとアズールが最近徹夜しているのを見掛ける。 俺は自分が受け取りたい解釈の仕方をするから、別にそこまでしなくてもいいのにと正直思う。
この前の食堂での騒ぎから、より一層周りから距離を取られているから問題ではない。 夜な夜なアズールの部屋から唸り声が聞こえるから正直いってそれをやめろ。
「 アズールおまえ、そろそろちゃんと寝ないと身体壊すぞ」
「 胃袋を壊しかねない食事をする貴方に言われても」
「 俺は腹は壊さないし今後壊す予定もない。 おまえが寝込んだら心配するだろ」
「 心配」この単語を彼女から聞いたのは初めてかもしれない。 各々三人は自分の聞き間違いでは。 と、彼女に視線を移すがどうやら間違えた言葉ではない様子。
ややぶっきらぼうではあるが、素直に心配されるのも悪くはない。 自然と口角が上がり、何時もならば嫌味を返してやるところだが……
「 僕もAさんがいつかお腹を壊してしまうのではないかと心配しています」
「 俺もー。 ナマズちゃん、ただでさえ普段から警戒心無しのユルユルだからちょー心配」
僕の反応を伺うかのように右から左からウツボの双子が彼女を心配する声を上げた。 ジェイドに至っては涙なんてからっきしな癖して泣くフリまで始める。
「 そ。 オカワリ」
「 はい。 遠慮せず食べてください」
「 ジェイド? 今先程自分がなんて言ったのか忘れたんですか?」
発言と行動の矛盾など興味が微塵もない彼女は手を止めやしない。 フロイドに至っては、隣からちょっかいを掛けようと試みるも左手一本でかわされている。
「 チェッ……頬っぺ触るぐらいイイじゃん〜減るもんじゃねーんだし」
「 俺よりもアズールの方が触り心地いいから触らせてもらえ」
「 ええ〜アズールの触ってもさあ……」
最後のひと皿を食べ切った。 テーブルの上に積み重ねられた皿の山はやはり見慣れない。 朝からよくもまあこんなに平らげられるものだと逆に感心してしまう。
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愛(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます!夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年12月1日 18時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます!性格も最高に面白くて大好きです!頑張ってください! (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)
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