scene6ー1 ページ13
3月19日(土) 20:30 inバルコニー
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《いづみside》
私たちは気分転換も兼ねて次の公演の脚本会議に時間も忘れるくらい花を咲かせていた。
次の公演は順当に行けば夏組の出番だ。
「ここの言い回し少し変えた方がいいんじゃないかな?」
「あーそうっすね、じゃあ、こっちも変えた方がいいっすね」
綴くんの集中力は、脚本についてになると他の事も見えなくなるようだった。
昔はご飯も食べず、寝ずで書き上げて倒れることがあったが、最近は真澄くんのおかげで随分と良くなった。
これも皆が成長した証なんだなと日々嬉しく思う。
「…監督。ここ、なんか物足んないんすけど演出でもうひと工夫加えることって出来ますか?」
「あぁ…ここね!うん、大丈夫!」
私は、 大まかな内容を決め終わった後、綴くんの質問に答えつつ、集中力を削がないように横で見守っていた。
すると、バタバタと寮の階段を駆け上がる大きな足音がした後、バルコニーのドアが壊れそうな程に盛大な音を立てて開いた。
「かんとく!!」
「監督ちゃん!」
三角くんと一成くんが勢い良くバルコニーに入ってきた。執筆中だった綴くんは少し不機嫌な声で一成くんに向かって「三好さんうるさいっすよ」と言った。一成くんは慣れた様子で「つづるんひっでー」
と返していた。
そんな2人のやり取りの中、三角くんが話を切り出した。
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作者名:ルクリア | 作成日時:2019年5月16日 15時