プロローグ2話 公共の場所でイチャつくな ページ3
-とある何の変哲も無い日に、事件は起きた。
「お姉ちゃん、次はあそこのケーキ屋さんに行こう!」
今日で11歳になる妹のケーキ屋巡りに付き合わされていた。勿論、私の奢りで。
『ちょっ、幾つ回れば気が済むの?!もう私も私の財布も息絶え絶えだよ!?』
「これで最後だからお願い!ね?」
『はぁ....これで最後だからね?』
「やったーーー!!お姉ちゃんありがとう!
大好き!」
こんなことで人にホイホイと大好きと言ってしまう妹。将来が少し心配だ。
『あの喜んでるとこ悪いんだけどさ、一回お金おろさせて。私の財布すっからかんだよ」
「じゃあ、さっさと銀行行こう!」
銀行に入って、自分の順番を待つ。しかし、そこで事件は起きた。
「両手を挙げて全員動くな!警察に通報したやつは今すぐ頭ブチ抜くぞ!!!」
銀行強盗だった。
「こ、怖いよ、お姉ちゃん...」
『大丈夫、大丈夫だから』
必死に、怖いのを声に出さないよう、妹の手を握り締めながら
震えている自分を落ち着かせようと、何度も深呼吸する
その時、突如後ろから突き飛ばされた私。気が付いた時には、もう妹とは離れていた。
「助けて、助けて!お姉ちゃん!!」
「うるさい!静かにしろ!」
妹は人質にされていた。銃を突きつけられていた。もし私が1ミリでも動こうものなら、強盗は容赦なく引き金を引くだろう。
『妹を離して!何でもする!だから、...妹だけは助け下さい』
「ほう?見上げた姉妹愛だ。いいぜ。
『そうです。だから妹は、妹だけは助けて下さい...!』
カラン、と乾いた音がした。床に転がってるのは銃だった。
「じゃあ、
『わかった』
私は銃を拾い上げ、躊躇いなくこめかみに当てる。
『ただし、先に妹を解放して下さい』
「いいだろう」
妹が咳き込みながら、崩れおちる。
それを見届けた私は、
引き金を引いた。
全てがゆっくりに見えた。傾いていく視界も、気持ち悪く笑う強盗も、呆気にとられている他の銀行客も、
そして、泣き叫ぶ妹の姿も。
あぁ、妹にあんなに泣いて貰えるほど、私は愛されていたんだね
良かった...
泣かないで、可愛い妹。きっとまたどこかで会おうね
だからさよならは言わない。
またね。
「お姉ちゃん!!」
私は幸せだった
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凛 - 早く続きが見たいです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月21日 20時) (レス) @page8 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀狐流花 | 作成日時:2019年5月6日 21時