オールラウンドエンターテイナー ページ12
「あっははは……アンさんヤバかったね!顔が……」
カナタが手を叩いて大笑いをする。
二人乗りの絶叫系を乗り終えた私たちは談笑しあっている。アンダーバー君のリアクションがあまりにも面白すぎたんだ。
「だって、仮面越しでもわかるほどえげつなかったって!!」
「だああああ!!もういいじゃんか、消してよ!」
私が撮った写真を見て分かったけど、口が全開で、仮面から覗いている目が白目になっていた。美少年の顔面崩壊問題……
それを上手く収めていた写真を消してくれと涙目でせがんでいるアンダーバー君。
「絶対消さないで、待ち受け画面にしてやる!」
と、カナタが言っていた。私ではない。
「あのさ……一緒に乗ると分かるんだけどさ、声もヤバかったぞ」
トモが腹を抱えながら、その様子を再現をする。その再現された声は、転校初日に聞いたあの変な声に似ていた。
想像通り、あの声で「キィィィィィィヤァァァァァァァァァ!!」と叫んでいたそうだ。
「はぁはぁ……ええ!?まだ乗るの!?コーヒーカップに乗ろうよ……」
息を切らせながらアンダーバー君はコーヒーカップをせがむ。
確かに、アンダーバー君はそれが楽しみでいたんだったね。という話になり、私たちはコーヒーカップに乗ることになった。
「二人で乗ろうよ!じゃあ、トモは私とね!」
カナタが割り振りをして、私とアンダーバー君は一緒に乗ることになった。
「野郎と乗るよりも女の子と乗りたい!」という二人の願いからこうなったらしい。
「今日は楽しそうだね、ルナちゃん」
先に話を振ってくれたのは、アンダーバー君だった。
彼はにこやかではあったけど、どこか真剣そうな雰囲気だった。
「……うん、久々に誰かと楽しいことができてる気がするよ」
さっきの質問は、まるで私のいつもの心を見透かしているような話だった。いつもの暗い私……楽しめない私……
「あの……いつもと変わらなくても、楽しいことはたくさんあると思うんだ。わからないなら、僕も手伝ってあげるよ!
アタシから、その楽しいことを発信してあげてもいいからね!」
急に変な声に変わって、思わずふふっと笑ってしまった。とても刺激の無く、優しい、印象深い時間だった。
・
「カナタ、トモ、そっちはどうだった?」
アンダーバー君と一緒に聞いてみる。
「野郎と乗ってる雰囲気と大して変わらなかった」
「ちょっと、失礼じゃね!?」
夫婦漫才みたいなやり取りに、思わず向かい合って笑っていた。
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デ・ロイテル(プロフ) - 7位イイね (2018年10月9日 22時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - もう大丈夫だと思います (2018年9月28日 18時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - サイコパスさん» いいな〜、私まだアーカイブも見れてないんですよ。なんか、その様子がすぐに想像できてしまいますww (2018年9月12日 18時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス - 楽しかったでホラーゲーム実況楽しかったです!アンさんが上手いのにアワアワしてる感じがまさに撲殺天使…ちなみに、リアタイで見れました( ≧∀≦)ノ (2018年9月12日 17時) (レス) id: bee83dbfd6 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス - ありがとうございます!自分も好きなときに勝手にコメントする感じになるので、無理無く返信いただけるとありがたいです。 (2018年9月10日 10時) (レス) id: bee83dbfd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Olivie | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maycry
作成日時:2018年5月10日 23時